「LPからのCVRがなかなか上がらないけれど、どうして?」
「効果的なLPO対策とは、何をどうすればよい?」
LPO(ランディングページ最適化)について、このような疑問をおもちではありませんか?
LPOは、CVRに直結する非常に重要な課題です。LPOによってCVRが10倍以上になった(SEOラボ)というケースもあるほどです。
CVRを上げるためのLPO対策としては、以下の3点に取り組むことが必要になります。
①ユーザーの反応を調査・分析する
②ユーザーの離脱を防ぐ
③ユーザーの行動を後押しする
そこでこの記事では、上記3点におけるLPO対策の具体的なToDoについて解説します。
「ユーザーの反応を調査・分析する」 4つの対策 | ● アクセス解析でサイトの現状を把握する ● ヒートマップで訪問者の行動を明らかにする ● 課題と対策について仮説を立てる ● 結果の検証を繰り返す |
「ユーザーの離脱を防ぐ」 8つの対策 | ● 広告とファーストビューを一致させる ● キャッチコピーにベネフィットを表現する ● ターゲットに最適な訴求ポイントを見極める ● 自然なストーリーを描く ● 余計なコンテンツを載せずシンプルな構造にする ● 重要な情報をスクロールせず見られるように配置する ● ページの表示速度を上げる ● どのデバイスでも見やすいデザインにする |
「ユーザーの行動を後押しする」 5つの対策 | ● 信頼性・権威性を示す情報を掲載する ● 口コミやUGCを活用する ● 動画で具体的なイメージを伝える ● CTAにはユーザーが主語の明確なテキストを用いる ● CTAには目立つデザインを施す |
併せて、「効果的なLPO対策を行うためのポイント」と「LPO対策でしてはいけないこと」もお伝えします。
この記事を読むことで、効果的なLPO対策にはどのような方法があるのかを一通り理解できます。そして、自社LPの問題点が明確になり、改善のためにまず何をすべきかが判断できるでしょう。
LPからのCVRを向上させ、売上を伸ばしていくための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.「ユーザーの反応を調査・分析する」ための4つの対策
まずは、ユーザーの反応を調査・分析するための対策を確認しましょう。
LPの現状と課題を把握しなければ、どのような対策が効果的なのかが見えてきません。また、結果を検証しなければ、対策の効果を判断することができないのです。
効果的なLPO対策を行うためには、以下の方法でPDCAサイクルを回していくことが必要になります。
それぞれの内容について、解説していきます。
1-1. アクセス解析でサイトの現状を把握する
まずは、Google Analyticsなどを用いたアクセス解析によって、サイトの現状を把握します。
ユーザーがサイト内でどのような動きをしているか把握できれば、サイトやLPにおける問題点が見えてくるからです。
そのために、以下のようなデータを確認しましょう。
- アクセス数
- クリック率
- コンバージョン率
- 滞在時間
- 直帰率
- 離脱率・離脱ページ
- 流入経路
これらのデータから、たとえば「アクセス数は多いのに離脱率が高い」「特定の検索キーワードから流入してきたユーザーの滞在時間が短い」などの問題点が見えてきます。
データの平均値としては、LPでのCVRが2~3%・直帰率が70~90%程度であり、滞在時間が5秒以下だとほぼ読まれていないといわれています。ただし、適正な数値は商材や顧客層によって変わってくるため、その点を踏まえて総合的に判断するようにしましょう。
1-2. ヒートマップで訪問者の行動を明らかにする
次に、ヒートマップを用いてLP上でのユーザーの行動を明らかにしましょう。
この目的はアクセス解析と同じく問題点の把握ですが、ヒートマップではサイト全体ではなくLP上で何が起きているのかを知ることができます。
具体的には、ヒートマップを用いると以下のことがわかります。
- ユーザーがどの部分を見ているのか
- ユーザーがどこをクリックしているのか
- ページがどこまで見られたか
それによって、「ファーストビューが見られていない」「縦長LPのごく前半までしか見られていない」などの問題点が見えてきます。
1-3. 課題と対策について仮説を立てる
アクセス解析とヒートマップの結果が出たら、それらを分析し、LPの課題と対策についての仮説を立てます。
LPO対策では闇雲に手立てを講じるのではなく、調査・分析結果に基づいた成功率の高いと思われる施策を打つことが重要だからです。
考え方の例としては、以下のようなものが挙げられます。
分析結果 | ファーストビューがほとんど見られていず、滞在時間が短い |
課題 | ファーストビューに以下のような問題があるかもしれない ・広告の内容と一致していない ・キャッチコピーがわかりにくい ・ベネフィットが伝わらない ・デザインの印象が悪い |
対策 | ファーストビューに用いている画像やテキストを見直す |
分析結果 | LPの途中までしか見られていず、直帰率が高い |
課題 | ユーザーのニーズに合ったコンテンツが載せられていないのではないか |
対策 | コンテンツの精査と修正を行う |
分析結果 | クリック率は高いものの、CVRが低い |
課題 | コンバージョンまでのフックが不足しているかもしれない |
対策 | LP内のコピーやCTAを見直す |
1-4. 結果の検証を繰り返す
LPO対策として行ったことがどのような結果をもたらしたのかということについて、検証を繰り返すことも欠かせません。
どのようなLPが最もCVRを高めるかということに対する答えは、ユーザーがもっています。そのため、修正したLPに対するユーザーの反応をテストしながら、最適解を探っていく必要があるのです。
LPの検証に用いる方法として最も一般的なのは、A/Bテストです。
【A/Bテストとは】
A/Bテストとは、異なる2パターン以上のLPを用意し、効果を比較するテストのことです。
それぞれのパターンをランダムに表示し、成果を比較することで、よりよいパターンを見つけることが可能になります。
A/Bテストでは規模の小さなマイナーチェンジを繰り返すため、大規模なページリニューアルで生じやすいリスクを回避することができ、短期間で結果を把握することができます。
注意点としては、むやみやたらにページを変更せず、検証項目のみにするということです。そうしなければ、検証結果が正常に判断できず、精度が落ちてしまうからです。
また、変更箇所について複数のバリエーションを用意し、最適な組み合わせを探す「多変量テスト」という方法もあります。
A/Bテストより複雑化するものの、より細かな情報を得ることができます。一方で、結果を把握するためには多くのデータが必要となり、テストが長期化する可能性もあります。
このような方法を活用して、複数のアイデアの中から最も効果的なものを見極めていくことになります。
2.「ユーザーの離脱を防ぐ」ための8つの対策
次に、ユーザーの離脱を防ぐための対策を確認しましょう。
LPの訪問者が増えたとしても、訴求内容が伝わる前に離脱してしまっては、コンバージョンには至らないからです。
以下のような方法で、ユーザーがLPに留まってコンテンツを読んでくれるようにしましょう。
それぞれの内容について、解説していきます。
2-1. 広告とファーストビューを一致させる
まずは、LPへの入口となる広告とファーストビューを一致させましょう。
広告から流入してきたユーザーは、ファーストビューの印象が異なると「求めていたものと違う」と感じて離脱してしまいます。
そのため、広告とファーストビューのキャッチコピーを一致させ、デザインも見た瞬間に同じものだと認識できるようにすることが大切です。
たとえば以下は、トヨクモ株式会社による安否確認サービスの広告です。
この広告からアクセスするLPには、広告と同じ「カンターン トヨクモ」というキャッチコピーが設置されています。
また、「安否確認」「自動化」という共通したワードを用いており、デザイン面ではキャッチコピーのフォントや背景の色を揃えています。同一人物の画像という点も相俟って、ユーザーは一貫性を感じやすいでしょう。
出典:トヨクモ株式会社
このように、広告とファーストビューを一致させることで、流入してきたユーザーの瞬間的な離脱を防ぐことができます。
2-2. キャッチコピーにベネフィットを表現する
キャッチコピーにベネフィットを表現することも、欠かせない対策です。
なぜなら、LPを見てすぐに「これは自分の求めている情報だ」と思えなければ、ユーザーは離脱してしまうからです。
Webサイトの訪問者がそのページを読むべきかどうか判断するのにかかる時間は、一般的に3秒程度だといわれています。その間に読む価値があることを伝えるためには、商品のベネフィットを前面に押し出すのが効果的なのです。
たとえば、MAツールマーケロボのLPには、「ツール利用料0円で営業を自動化して商談の成約率をアップさせる」というキャッチコピーが設置されています。
出典:マーケロボ
このキャッチコピーによって、コストや労力をかけずに成約率を上げられるというベネフィットが明確に伝わります。商談の成果を上げたい人であれば、詳しいことを知りたいと思って読み進めてくれるでしょう。
このように、キャッチコピーで商品のベネフィットを伝えられると、ユーザーが離脱せずにLPの内容を見てくれる可能性が高まります。
2-3. ターゲットに最適な訴求ポイントを見極める
LPを見るターゲットにとって、最適な訴求ポイントを見極めることも大切です。
同じ商品であっても、どこに価値を感じるかは人によって異なります。そのため、見る人が最も重要視するであろう部分を訴求することが、コンバージョンにつながるのです。
以下のようなデータからターゲットの特性を明確化し、どのようなニーズがあるのかを把握して、訴求ポイントを検討しましょう。
- 購入や問い合わせ履歴のある人の属性(年齢・性別・居住地など)
- 問い合わせ内容
- 顧客アンケート結果
- サイトやLPの訪問者の属性
- 流入経路・検索キーワード
たとえば、ウエディング総合情報サイトのぐるなびウエディングでは、サイトへの流入データを解析し、「結婚式場関連と地名・駅名の組み合わせ」というキーワードで検索した利用者のコンバージョン率が高いことを突き止めました。
その結果を活かして、地名を含んだ特集ページを新たに設置したところ、CVRが前月比で約9倍にアップ(Marketing Bank)したのです。
このように、ターゲットに刺さる訴求ができると、商品への関心が高まるために離脱を防ぐことができます。
2-4. 自然なストーリーを描く
自然なストーリーを描くようにコンテンツを配置するという点にも配慮しましょう。
自然なストーリーが作られていると、ユーザーはその内容をすんなりと理解でき、ストレスなく読み進められるために、離脱率が低下します。
同時に、論理性があり信頼できるという印象をもちやすくなり、「売り込み臭が強くて不快」と拒絶されてしまうことを防げるのです。
具体的には以下のような順序にすると、流れのあるストーリーが作りやすくなります。
①商品のベネフィット・アピールポイント ②ベネフィットの根拠となるデータ ③商品の特徴や使い方 ④活用事例(お客様の声など) ⑤購入方法 ⑥疑問や不安の解消(FAQや問い合わせなど) ⑦クロージング(コンバージョンとなる行動を促す) |
たとえば、ホームページ制作会社リアライズのLPは、以下のようなストーリーになっています。
出典:リアライズ
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リアライズが集客を成功させる4つのポイント | この商品を利用すると、そのお悩みを解決できます |
ホームページ制作・SEO対策実績 | なぜなら、このような実績があるからです |
お客様の声 | 実際に、多くのお客様にご満足いただいております |
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制作の流れ | ご購入いただくと、このような流れでお手元に届きます |
よくある質問 | とはいえ疑問や不安があるという方も、ご安心ください |
無料相談・資料請求 | 相談や資料請求は無料ですので、ご連絡をお待ちしています |
このように、前後のコンテンツ同士がつながりながら進んでいくように配置すると、ユーザーに読み進めてもらえる可能性が高まります。
2-5. 余計なコンテンツを載せずシンプルな構造にする
余計なコンテンツを載せず、シンプルな構造にすることも重要です。
コンテンツが多く雑然としたLPだと、「読みにくい」「知りたい情報がどこにあるのかわからない」という理由で離脱される可能性があります。
またリンクを設置していると、そちらに飛んだ後戻ってこないということも考えられます。
たとえば、年賀メール配信サービスblastmailのLPには、以下3つの要素しか載っていません。
- キャッチコピーと実績のファーストビュー
- テンプレートの例
- 機能と料金プランの紹介
出典:blastmail
また、デザインにも余白があるためにすっきりとした印象で、とても見やすくなっています。クリックできる場所は各エリアに設置されたCTAボタンのみとなっており、迷うことがありません。
ここまでの簡素化は難しいという場合もあるかもしれませんが、LPの要素を必要最小限にすると、ユーザーがそのLPでのコンバージョンへと進むことに集中できるようになるのです。
2-6. 重要な情報をスクロールせず見られるように配置する
LP上では、重要な情報をスクロールせず見られるように配置しましょう。
さっと見た範囲に求めている情報がなければ、それ以上読む必要はないと離脱してしまう可能性があるからです。
Webサイトを閲覧する多くのユーザーは、よほど興味がない限りはコンテンツを熟読しません。前述したように、約3秒で読むかどうかを決め、読むとしても流し読みをする可能性が高いです。
そのため、ユーザーがLPに留まってくれている間、つまりスクロールしなくても見えるLPのごく前半の部分に、ニーズが高い情報を集約する必要があります。
以下は、先程もご紹介したトヨクモ株式会社による安否確認サービスのLPです。
出典:トヨクモ株式会社
このLPでは、この一画面に以下のような情報が載せられています。
- 商品内容:「安否確認サービス」
- 商品のベネフィット:「カンターン」「自動化」
- CTAボタン:「無料お試し」
- 信頼性を示す数値:「導入企業3,000社以上」「継続率99.8%」
- 費用目安:「初期費用無料 月額6,800円~」
これらの情報が一目で把握できると、商品に興味をもち、その先を読み進めてくれる可能性が高まります。また、この段階で意思決定した場合には、すぐにCTAボタンを押してもらえることもあるでしょう。
2-7. ページの表示速度を上げる
ページの表示速度を上げることも、ユーザーの離脱を防ぐ上で非常に重要な対策です。
なぜなら、ページの表示速度が遅いと、LPの内容にかかわらず多くのユーザーが離脱してしまうからです。
Googleの調査(2017)によると、ページの表示速度が1秒から3秒になると直帰率が32%増加し、6秒になると106%増加するそうです。また、モバイルサイトの読み込みに3秒以上かかる場合、訪問者の53%は離脱するということもわかっています。
誰しも、なかなか表示されないページにイライラして、内容を確認する前に閉じてしまった経験があるのではないでしょうか?
そのため、LPの表示速度を測定し、よりスピードアップしていくことが求められるのです。
【ページの表示速度を上げる方法】
まずは、以下のようなツールを用いて現在の表示速度を計測します。
- Google Analytics
- Google PageSpeed Insights
その上で、以下のような対策を講じましょう。
- 画像やファイルのサイズを圧縮する
- 無駄なソースコードを削除する
- ブラウザキャッシュを設定する
- サーバーのスペックを上げる
2-8. どのデバイスでも見やすいデザインにする
LPをどのデバイスでも見やすいデザインにしておくこともマストです。
現代では、ほとんどの人がスマートフォンやタブレットといったPC以外のデバイスを活用しています。LPへのアクセスも、あらゆるデバイスから行われると考えるべきでしょう。
「うまく閲覧できない」ということになれば、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
たとえば重いデータは、モバイルデバイスでは表示が遅くなってしまう可能性があります。また、PCに合わせた文字サイズは、モバイルデバイスだと小さくて読みにくいことがあるのです。
そのためLPOにおいては、マルチデバイス化が前提と捉えておくことをおすすめします。
3.「ユーザーの行動を後押しする」ための5つの対策
最後に、ユーザーの行動を後押しするための対策を確認しましょう。
LPに留まり商品に興味をもってくれたユーザーに対してコンバージョンとなる行動を促すためには、以下のような方法が効果的です。
それぞれの内容について、解説していきます。
3-1. 信頼性・権威性を示す情報を掲載する
LPに信頼性・権威性を示す情報を掲載すると、ユーザーが行動に踏み切りやすくなります。
なぜなら、「この商品・サービスは信頼できそうだ」という安心感を与えられるからです。
信頼性・権威性を示す情報には、以下のようなものがあります。
- 会社概要や連絡先
- 企業や商品の実績
- 情報の正確なソース
- 専門家によるコメント
たとえば、ベルタ葉酸サプリのLPには、「5年連続売上No.1」「産婦人科医も推奨の葉酸サプリ」という情報が載せられています。
さらに、サプリを紹介している産婦人科の施設数や産婦人科医のコメントも紹介しています。
出典:ベルタ葉酸サプリ
これらの情報が得られると、ユーザーは「安心して使える人気商品のようだから試してみよう」という気持ちになるでしょう。
このように、信頼性や権威性によってユーザーの不安を取り除くことができると、行動への障壁が低くなるのです。
3-2. 口コミやUGCを活用する
利用者の口コミやUGC(User Generated Contents:ユーザーの手によって生成されたコンテンツ)を活用するのも効果的です。
多くの人が利用している・満足しているという情報を得ると、ユーザーは商品やサービスの質を保障されたような気持ちになるからです。
たとえば、まつげ美容液「PHOEBE BEAUTY UP」のLPには、Instagram上のUGCが掲載されています。
この施策によって、CVRが2.4倍・売上が6.5倍になる(Letroブログ)という成果を上げています。
このように、商品を実際に使用している人の声を届けられると、ユーザーがその魅力を実感し、行動を起こしやすくなるのです。
3-3. 動画で具体的なイメージを伝える
商品の特徴や使い方などを動画にして掲載し、具体的なイメージを伝えるという方法もあります。
ユーザーが商品を利用する自分の状況をよくイメージできると、漠然とした躊躇が払拭され、行動を起こしやすくなるからです。
特に、「インタラクティブ動画」というタップ・クリックできる動画の活用が注目を集めており、インタラクティブ動画接触者のCVRは非接触者の約5倍になった(MIL)という事例もあります。
商品と動画の親和性が高い・動画作成のリソースがあるという場合には、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
3-4. CTAにはユーザーが主語の明確なテキストを用いる
CTAには、ユーザーが主語の明確なテキストを用いるようにしましょう。
CTAの主語が自分になっていると、ユーザーは実際に行動する自分をイメージしやすくなります。また、CTAボタンを押すとどうなるのかが明らかであれば、躊躇することなく行動を起こせるのです。
たとえば「詳細はこちら」というCTAだと、何についての詳細なのかがユーザーに伝わらず、スルーされてしまう可能性が高くなります。
そのため、「〇〇の資料を請求する」「〇〇の無料体験を申し込む」などのように、具体的な内容を表現することをおすすめします。
3-5. CTAには目立つデザインを施す
CTAではテキストだけでなく、デザインも重要です。なるべく目立つものにしましょう。
なぜなら、CTAが他のコンテンツに埋もれてしまうと、ユーザーはそれがクリックできるものだと気付かずにスルーしてしまう可能性があるからです。
CTAのデザインにおいては、以下のような工夫をしてみてください。
- LPのメインカラーとコントラストが高い色にする
- LPのイメージに合った形・フォントにする
- 周辺にマイクロコピーを設置する
- テキストに加えて画像やアイコンを用いる
- 各デバイスで押しやすい大きさにする
LPのイメージを損なわないようにしつつ、ユーザーにとって視認性が高いデザインにするのがポイントです。
【CTAの最適化にはA/Bテストが必須】
LPOにおいてA/Bテストは必須ですが、特にCTAに関しては微細な変更で大きくCVRが変わることがあるため、重要です。
有名な事例には、アメリカ大統領選でのオバマ陣営のメルマガ購読LPがあります。
複数のCTAについてテストし、「SIGN UP(申し込む)」 を 「LEARN MORE(もっと詳しく知る)」に変えたことでクリック率が18%向上しました。
さらにアイキャッチ画像などの変更も組み合わせることで、最終的なクリック率は40.6%まで向上し、6000万ドルも追加の寄付金を獲得したのです(Obama’s $60 million dollar experiment)。
このことからわかるように、CVR向上のためにはCTAを最適化することが非常に効果的です。
4. 効果的なLPO対策を行うための4つのポイント
LPO対策の方法がわかったところで、効果的に進めるためのポイントもおさえておきましょう。
効果的なLPO対策を行うためのポイントには、以下の4つがあります。
それぞれの内容について、解説していきます。
4-1. 徹底したユーザーファーストを貫く
効果的なLPO対策において欠かせないポイントは、徹底したユーザーファーストを貫くということです。
CVを生み出すLPとは、ユーザーのニーズを満たすLPです。ユーザーにとって、知りたい情報が載っており、行動するために必要な安心や意欲が得られるものでなければなりません。
そのためには「2-3.ターゲットに最適な訴求ポイントを見極める」で解説したように、データ分析によってLPを訪れるユーザーの特性を明確化し、どのようなニーズがあるのかを把握することが必要です。
LPOには、「売れるためにどうするか」ではなく、「ユーザーのニーズに応えるにはどうするか」という視点で取り組むことをおすすめします。
4-2. SEOとEFOにも同時に取り組む
SEO(検索エンジン最適化)とEFO(エントリーフォーム最適化)にも同時に取り組みましょう。
SEOによって検索エンジンからの流入を増やし、EFOによって入力フォームからの離脱を防ぐことで、よりCVRが高まるからです。
特にEFOは、LPO対策の一部と位置付けられることもある重要な施策です。入力フォームでの離脱率を把握し、内容を精査しましょう。
4-3. パーソナライゼーションを行う
パーソナライゼーションを行い、ユーザーの特性に応じてLPを出し分けるのも効果的です。
パーソナライゼーションによってそれぞれのユーザーに最も適したLPを表示できれば、「これはまさに自分が求めていた情報だ」と感じてCVにつながる可能性が上がるからです。
たとえば、ゴルフ場予約のポータルサイトであるゴルフダイジェスト・オンラインは、ユーザーを以下の3つに分類し、それぞれのニーズに応じた専用LPに誘導して、クーポンを提示しました。
- 自社の既存優良顧客と類似した層
- ゴルフ場予約ニーズが高い層
- アクティブゴルファー層
その結果、自社会員数の10倍を超える新規顧客への接触が可能となり、従来の約8倍の新規予約者を獲得した(LISKUL)のです。
ちなみに、既存優良顧客の類似層には「特別優待券」、ゴルフ場予約ニーズのが高い層には「直前割」、アクティブゴルファー層には「特別価格」が効果的だったそうです。
パーソナライゼーションを行うと、よりユーザーニーズに適したLPを提供することが可能になります。
4-4. LPOツールを導入する
効果的なLPOのためには、LPOツールを導入するのもおすすめです。
なぜなら、LPOに関する以下のような作業を簡単に行うことが可能になるからです。
- LPの制作
- LPの分析(ユーザー属性分析・ヒートマップ・アクセス解析など)
- A/Bテスト・多変量テスト
- パーソナライゼーション
つまり、LPO対策に必要なことを網羅的にサポートしてもらえるということです。
【LPOツールの費用相場】
LPOツールの費用相場は、月額2万~15万円程度です。しかし、Web上では非公開で都度見積りというケースも少なくありません。
また、ツールによって対応している機能も異なります。
導入する場合には、複数のツールを比較検討するのがよいでしょう。
5. LPO対策でしてはいけない4つのこと
反対に、LPO対策でしてはいけないことも確認しておきましょう。LPO対策では、以下4つのことを避けるようにしてください。
それぞれの内容について、解説していきます。
5-1. データ分析せずにLPを修正する
現状や施策の効果について、データ分析をすることなくLPを修正するのは禁忌です。
データに基づいた判断ができたはじめて効果的な対策が見えてくるのであって、闇雲にLPを修正してもCVRは上がりません。
データ分析はLPOの一部だという認識で取り組むことをおすすめします。
5-2. 複数のテストを同時に実施する
効果判定のためのテストはLPOにマストですが、複数のテストを同時に実施するのはやめましょう。
一度に複数のテストをしてしまうと、どの施策が効果的だったのかを正確に把握することができないからです。
たとえば、「ファーストビューの画像」と「CTAボタンのテキスト」など、複数の要素を変更したLPをテストしてしまうと、どちらの変更が効果的だったのかがわかりません。
LPOのテストにおいては、1テストに一要素を守り、段階的にブラッシュアップしていくことをおすすめします。
5-3. 2つ以上のオファーを出す
ひとつのLP内で2つ以上のオファーを出すのも、よくありません。
ユーザーがどのオファーに応じるべきか迷ってしまうからです。そもそも、種類の違うオファーにはそれぞれのLPが必要であり、複数のオファーを含むLPはユーザーのニーズに応えていないといえます。
「資料請求」や「購入」など、ひとつのオファーを明確にして、そこにニーズがあるユーザーに向けて一貫性のあるコンテンツを配置する必要があります。
5-4. 短期間で成果を求める
LPOの成果を短期間で求めるのはやめましょう。
繰り返しお伝えしているように、LPOにおいては効果検証のためのテストが欠かせません。正確なテスト結果を得るためには一定数のデータが必要であり、十分に集まるまでには時間がかかるからです。
どの程度の期間が必要かということは、アクセス数やクリック数によるため一概にはいえませんが、少なくとも数日で成果を得るのは難しいでしょう。
LPOの成果が出るまでには時間がかかることを理解し、根気よくテストを繰り返すことが大切です。
6. まとめ
この記事では、以下17のLPO対策について、何をどうするのか具体的に解説しました。
「ユーザーの反応を調査・分析する」 4つの対策 | ● アクセス解析でサイトの現状を把握する ● アヒートマップで訪問者の行動を明らかにする ● 課題と対策について仮説を立てる ● 結果の検証を繰り返す |
「ユーザーの離脱を防ぐ」 8つの対策 | ● 広告とファーストビューを一致させる ● キャッチコピーにベネフィットを表現する ● ターゲットに最適な訴求ポイントを見極める ● 自然なストーリーを描く ● 余計なコンテンツを載せずシンプルな構造にする ● 重要な情報をスクロールせず見られるように配置する ● ページの表示速度を上げる ● どのデバイスでも見やすいデザインにする |
「ユーザーの行動を後押しする」 5つの対策 | ● 信頼性・権威性を示す情報を掲載する ● 口コミやUGCを活用する ● 動画で具体的なイメージを伝える ● CTAにはユーザーが主語の明確なテキストを用いる ● CTAには目立つデザインを施す |
効果的なLPO対策を行うためには、以下4つのポイントをおさえることが大切です。
反対に、LPO対策では以下4つのことを避けるようにしてください。
LPO対策は、CVRに直結する非常に重要な取り組みです。まずは、あなたのLPを見直してみてはいかがでしょうか?
そのための視点として、この記事が役に立つことを願っています。