「ステップメールで集客をするにはどうすればいいの?」
「効果的なステップメールの作成方法を今すぐ知りたい。」
こんな風にお考えなのではないでしょうか?
ステップメールという言葉は知っているものの、集客の効果を上げるために具体的にどういう風に送ればいいのかわからない、といったこともあるでしょう。
まずはじめに結論からお伝えすると以下の手順に沿ってステップメールを作成すれば、集客効果の高いステップメールを実践することができます。
集客効果の高いステップメールを作成する5つの手順
①ステップメール送付の最終的な目標を決める
②目標に合ったシナリオを設計する
③シナリオをステップメールに落とし込む
④配信テストをする
⑤定期的に内容を見直しブラッシュアップする
この手順を実践すれば以下のような効果を実現することができます。
- 「見込み客」を育成し購買につなげることができる
- 「既存客」との接点を強化し購買につなげることができる
- 自動で売上につなげることができる
さらに本文では、ステップメールで「見込み客向け」や「既存客向け」に送りたい場合のステップメールの具体例についても紹介します。
ステップメールのイメージを掴むためにもぜひ参考にしてみてください。
▼この記事でわかること
- 集客効果の高いステップメールの作成手順5つ
- 「見込み客向け」や「既存客向け」のステップメールの具体例
- ステップメールでの集客を成功させるためのコツ5つ
最後まで読むことで、ステップメールでの集客を成功させるためのコツもわかります。ステップメールで集客の成果を上げるためにもぜひ最後まで目を通してみてください。
1. 集客効果の高いステップメールの作成する5つの手順
冒頭でも触れましたが、まず初めに集客効果の高いステップメールの作成手順を紹介します。
ステップメールとは、ある時点を起点として、あらかじめ作成したメールを設定したスケジュールに従って段階的に自動配信するメールのことです。
例えば下記のように、事前に設定したメールをスケジュール通りに自動配信するものです。
<ステップメールの例>商品購入時(起点):購入のお礼メール2日後:商品の使用感についてのお伺いメール5日後:商品のさらなる便利な使い方についてのメール7日後:レビューのお願い・追加購入の案内メール |
ステップメールを利用することで、見込み客や既存顧客に商品の購入やサービスの利用を促すなどといったアプローチをすることができます。
このステップメールで集客効果を上げるためには、作成手順にコツがあります。ここでは実際に集客効果の高いステップメールを作成するための手順を紹介します。
具体的には、下記のような手順でステップメールを作成しましょう。
集客効果の高いステップメールを作成する5つの手順
①ステップメール送付の最終的な目標を決める
②目標に合ったシナリオを設計する
③シナリオをステップメールに落とし込む
④配信テストをする
⑤定期的に内容を見直しブラッシュアップする
ひとつずつ詳しく以下で解説します。
1-1. 【STEP1】メール送付の最終的な目標を決める
ステップメールの集客効果を上げるには、あらかじめ集客の最終的な目標を明らかにしておくようにしましょう。
目標が明確でないままステップメールを作成してしまうと、的外れなメールを送ってしまい、読者にメール登録の解除や受信拒否をされてしまう恐れがあります。
ステップメールの目的は「見込み客」や「既存顧客」に対して何らかの行動を起こしてもらうために送るものですが、ターゲットや最終的に達成したい目標をより具体的にしておくようにしましょう。
例えば、下記のように目標を数値化して具体的にしておくことがおすすめです。
- 見込み客を育成して新規契約につなげたい ⇒「見込み客から新規契約50件確保したい」
- 見込み客に自社のイベントに参加してほしい ⇒「見込み客から申込件数100件確保したい」
- 既存顧客にアップセル(バージョンアップ品の購入)をさせたい ⇒「既存顧客から、アップセルで売上1000万円達成したい」
- 既存顧客にクロスセル(補完商品の購入)をさせたい ⇒「既存客から補完商品の売上1000万円達成したい」
数値を立てておくことで、実際のステップメールの効果と照らし合わせながら改善を図っていくことができます。
集客効果を上げていくためにも、最初に集客の明確な目標を設定しておきましょう。
1-2. 【STEP2】目標に合ったシナリオを設計する
次に、最終ゴール(目標)を意識して、送付するメール全体のシナリオを設計するようにしましょう。
「見込み客」や「既存客」などのターゲットが自然とゴールに向かえるような流れを作ることが大切です。ここでは流れを作るための参考となるフレームワークを紹介します。「見込み客」へのアプローチと「既存客」へのアプローチは若干異なるためそれぞれに向けたフレームワークを解説します。
フレームワークを参考にしながらシナリオ設計をしてみましょう。
1-2-1. 見込み客向けのシナリオを設計するフレームワーク「AIDAMAの法則」
見込み客に、商品やサービスの契約をしてもらうことを目標とするシナリオ作りには、消費者の購入決定プロセスのフレームワークである「AIDMAの法則」を参考にして設計するとよいでしょう。
「AIDMAの法則」の流れは下記の通りです。
【見込み客向けのフレームワークAIDMAの法則】
「AIDMAの法則」とは、消費者が商品を購入するまでに、「注目(Attention)」「興味(Interest)」「購買意欲(Desire)」「記憶(Memory)」「行動(Action)」の5段階のプロセスを経て購入を決めるとする考え方のことです。
見込み客が商品やサービスを契約するときもこれらのプロセスを経ると想定してシナリオを作成してみましょう。
1-2-2. 既存客向けのシナリオを設計する
一方、既存顧客に定期購入や追加購入などを促したい場合には「21日間感動プログラム」のフレームワークが有効といわれています。(参考:神田昌典著/フォレスト出版「あなたの会社が90日で儲かる!」)
【既存顧客向けのフレームワーク21日間感動プログラム】
「21日間感動プログラム」とは顧客が商品を購入してから21日間以内に3回以上のアプローチをして、リピーター客となってもらうという実践手法です。
顧客は購入した感動から21日経つと興奮も冷めてしまう一方で、感動の冷めないうちに3回アプローチをするとファンになるという考えに基づいた方法です。
購入からの21日間でどういう行動を促したいかシナリオを描くようにしましょう。
1-3. 【STEP3】シナリオをステップメールに落とし込む
シナリオの設計ができた後は、実際にステップメールを書いていきましょう。設計したシナリオを、ステップメールに落とし込んでいきます。
ステップメールは1通に1メッセージとなるように送信内容や送信回数を分けるようにしましょう。内容を詰め込み過ぎると、読みにくくなり、読んでもらえなくなったり受信拒否をされたりすることも少なくありません。
例えば、
- 1通目:メール登録をしてくれたことに感謝を伝えるメール
- 2通目:見込客が抱えている悩みに対して理解・共感を示すメール
- 3通目:見込み客の抱える問題を以前自社も抱えていたがそれを克服したことを紹介
- 4通目:解決案となる商品・サービスを提案する。
- 5通目:購入特典など購入を促すポイントを示す。
といったように1通1メッセージで送るようにしましょう。
ステップメールは、5~7回に分けて送るケースが多く見られますが、回数にこだわる必要はありません。1通1メッセージで4通で完了するシナリオであれば4通でも問題ありません。
1-4. 【STEP4】配信テストをする
配信する内容の準備が整ったら、メール配信システムやMAツールなどを活用して配信予約をし、正しく配信されるかどうか、配信テストを行いましょう。
自分や自社の社員のメールアドレスにステップメールを配信してみて、問題がないかどうか確認します。配信テストで問題が発覚すれば、本番の前までに修正しましょう。
1-5. 【STEP5】定期的に内容を見直しブラッシュアップする
配信テスト後は、メール配信システムに配信の予約し、いよいよ本番の配信を開始します。ステップメールの集客を成功させるためには、本番開始後も定期的に内容を見直すことが大切です。
ステップメールは一度でうまくいくということはあまりありません。定期的に、メールの開封率やクリック率などの反応を確認して、必要に応じてタイトルやシナリオの内容、配信のタイミングを修正をするようにしましょう。
例えば、メールの開封率が著しく低い場合には、開封をしたくなるようなタイトルに変えたり、配信する曜日や時間帯を変えたりするといった対処が考えられます。クリック率が伸びない場合には、受け手のニーズやシナリオを再検討する必要があるといえます。
ステップメールを成功させていくには、PDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルで見直すことが大切です。
見直し方法については、記事の後半で紹介するステップメールを成功させるコツの「3-1. 定期的に効果を分析し改善する」も確認してください。
2. 「見込み客向け」「既存客向け」ステップメールの具体例
集客効果の高いステップメールの作成手順5つについて紹介しましたが、ここでは、その作成手順に基づいた具体的なステップメールの構成内容について紹介します。
事例は、下記のように「見込み客向け」と「既存客向け」の事例に分けて紹介します。
- 【見込み客向け】ECサイトで見込み客向けに商品を売りたい場合
- 【既存顧客向け】オンライン講座でかつて受講した顧客に別の講座を追加契約してもらいたい場合
具体的に見ていきましょう。
2-1. 【見込み客向け】ECサイトで見込み客向けに商品を売りたい場合
「見込み客向け」に新規に商品を売りたい場合のステップメールの例について紹介します。
具体的には下記のような事例を想定しています。
【事例1】 化粧品のECサイトを運営する会社が、乾燥肌向けの化粧水の無料テスター(試供品)を申し込んだ見込み客に対して商品の購入を促したい。 |
ステップメールの例は下記のようになります。
【事例1のステップメール】 ▼1通目の内容 送付日(起点):試供品申込当日 内容:申し込みに対して感謝を伝え、試供品である化粧水の効果的な使い方を伝える。 意図:商品に「注目(Attention)」してもらうため ▼2通目の内容 送付日:3日後 内容:開発秘話を伝える。保湿成分と安全性にこだわりぬいて作り、他社ではできない効果的な保湿成分が配合されていることを紹介する。 意図:商品の良さを知ってもらい「興味(Interest)」を持ってもらうため ▼3通目の内容 送付日:7日後 内容:効果の出た人の体験談やレビューを紹介する。 意図:「私もこうなりたい」と思わせ「購買意欲(Desire)」を高めるため。 ▼4通目の内容 送付日:14日後 内容:化粧水のシリーズの買える店舗やオンラインストアを紹介する。 意図:どこで買えるのか「記憶(Memory)」にとどめてもらうため。 ▼5通目の内容 送付日:21日後 内容:×月×日まで3割引きとなるキャンペーンを案内する。 意図:「行動(Action)」を起こしてもらうため。 |
この事例では、ターゲットに新規での商品購入を促したいため、「AIDMAの法則」のフレームワークを意識したステップメールとなっています。
商品の購入を促したい場合のステップメールの参考にしてください。
2-2. 【既存顧客向け】オンライン講座でかつて受講した顧客に別の講座を追加契約してもらいたい場合
既存顧客向けに、さらに別の商品・サービスを追加契約してもらいたい場合のステップメールの例について紹介します。
具体的には下記のような事例を想定しています。
【事例2】 オンライン英語塾で、初級者向け4週間講座を受講し終了した既存顧客向けに、さらに上級講座を契約してもらいたい。 |
ステップメールの例は下記のようになります。
【事例2のステップメール】 ▼1通目の内容 送付日(起点):受講終了日 内容:受講に対して感謝を伝え、講座の感想を尋ねる。 意図:ターゲットとの信頼関係を維持するため ▼2通目の内容 送付日:3日後 内容:語学力の向上には、継続して学習することが大切であることを伝え、継続するためのお役立ち情報などを伝える。 意図:ターゲットの課題に寄り添い信頼関係を維持するため ▼3通目の内容 送付日:7日後 内容:語学力を上げるには、4週間終えた今、さらに上級講座などで学び続けることが効果的であることを紹介。 意図:ターゲットの課題に緊急性を与えるため。 ▼4通目の内容 送付日:14日後 内容:上級講座の受講者の体験談やレビューを紹介。 意図:上級講座のベネフィットを伝え、受講意欲を高めるため。 ▼5通目の内容 送付日:21日後 内容:上級講座受講の1カ月無料キャンペーンのお知らせ。 意図:上級講座申し込みを後押しするため。 |
事例2は、既存顧客へのアプローチで、「21日間感動プログラム」を意識した構成内容になっています。先のサービス契約から日をあけずに21日以内にアプローチを試みるところが特徴的です。
既存顧客への再購入や追加購入を促す場合のステップメールの参考にしてください。
3. ステップメールでの集客を成功させるためのコツ5つ
集客に効果的なステップメールの作成方法や例を紹介しました。
ここでは、ステップメールでの集客を成功させるために、特に意識した方がよい点について解説します。より集客を効果的に行うためにも、ぜひ参考にしてください。
集客を成功させるコツは具体的には次の5点です。
ステップメールでの集客を成功させるためのコツ5つ
①定期的に効果を分析し改善する
②セグメントごとにステップメールを変える
③1通に提案を詰め込みすぎない
④営業色を前面に出さずにニーズを解決する提案を心がける
⑤シナリオの作成・改善にMAツールを利用する
詳しく見ていきましょう。
3-1. 定期的に効果を分析し改善する
ステップメールを送った後には、定期的に効果を分析し改善するようにしましょう。ステップメールをブラッシュアップしていくことが集客効果をあげるために重要なプロセスといえます。
ステップメールを評価する数値としては、最終的に発生した売上だけでなく、メールの開封率、クリック率などをチェックするようにし、数値が良くない場合には、ステップメールの内容を改善しましょう。
メールの開封率やクリック率の良しあしの評価基準としては、例えば、下記の世界平均の数値などを目安に検討してみましょう。
【ステップメールとメールマガジンの平均開封率と平均クリック率】
ステップメール(Triggerd Emails) | メールマガジン(Email Newsletter) | |
---|---|---|
開封率 | 35.64% | 20.58% |
クリック率 | 5.31% | 2.51% |
出典:GetResponse「2022 Email Marketing Benchmarks by GetResponse」
一般的に、ステップメールの開封率とクリック率はメールマガジンの開封率やクリック率よりも高いといわれています。
もし自社が配信しているメールマガジンがある場合は、その開封率やクリック率とステップメールの開封率やクリック率と比較してみるのもよいでしょう。メールマガジンよりステップメールの数値が低い場合には、特に見直しが必要といえます。
メールの開封率が著しく低い場合には、
- タイトルを開封したくなるものに変更する
- 配信する曜日や時間帯を変更する
- ターゲットのニーズを見誤ってないか検討する
- シナリオ内容を見直す
といった対処をするようにしましょう。
クリック率が低い場合は、
- リンクの設置場所と設置方法を修正する
- ターゲットのニーズを見誤ってないかどうか検討し直す
- メールの内容を見直す
といった対処をすることがおすすめです。
ステップメールを成功させていくためには、改善を重ねていくことがポイントです。
3-2. セグメントごとにステップメールを変える
顧客の特性、セグメントごとに配信するステップメールを変えることも集客には効果的です。
マーケティングのソフトウェアを扱うHubSpot社によると、emailマーケティングにおいて、セグメント化してemailを送ると売上が760%あがった(参考:HubSpot「Using List Segmentation to Increase Engagement」)というデータもあります。
ステップメールについても、顧客を「買った商品」や「年齢層」などセグメントに分けてシナリオ設計し配信することがおすすめです。
3-3. 1通に提案を詰め込みすぎない
1通のステップメールに、提案を詰め込みすぎないようにしましょう。
メールに多くの内容を盛り込み過ぎると、メッセージに一貫性がなくなるうえ、読みにくくなり、受け手も戸惑います。情報過多になると、読むのが億劫になり、メールを読まずに廃棄されてしまう恐れもあります。
ステップメールは複数のメールに分割できるため、メール1通につき1メッセージにおさめることがおすすめです。1メッセージごとに配信し、段階的にスムーズに読んでもらえるようにしましょう。
3-4. 営業色を前面に出さずにニーズを解決する提案を心がける
ステップメールでは、営業色を前面に出さずに、受け手のニーズを解決する提案を心がけるようにしましょう。
ステップメールは基本的に営業のために送るものですが、受け手との信頼関係が十分に築けていないうちに、営業色を強めてしまうと、受信を拒否されたり登録を解除されたりするケースも少なくありません。
ステップメールを読者に読んでもらうためには、読者のニーズ・課題を解決する提案をし、「このステップメールは自分に役立つ情報をくれる」という信頼を築いていくことが大切です。
営業色を強いメールを一方的に送るのでなく、受け手のニーズを解決する提案を入り口としてアプローチするようにしましょう。
3-5. MAツールを利用する
ステップメールのシナリオ作成や改善にMAツールを利用することもおすすめです。
MAツールとは、新規顧客の獲得や見込み顧客の育成などを含めたマーケティング施策をサポートするためのマーケティングプラットフォームです。
ステップメールは、メール配信システムでも配信することができますが、MAツールを利用した方が、シナリオ作成や改善がしやすくなります。MAツールで管理しているターゲットの属性情報などに合わせて作業ができるためです。
また、MAツールでは、ステップメールを開封してクリックした後の行動履歴まで追うことができるため、その後のフォローアップによる成約率も高まります。
ステップメールの配信に便利なMAツールには下記のようなものがあります。
ステップメールにMAツールを活用することは、さらにステップメールの効果を上げやすくなるためおすすめです。
まとめ
ステップメールの集客効果を上げる方法について解説しました。
ステップメールの集客効果を高めるためには、下記の作成手順でメールを作成するようにしましょう。
集客効果の高いステップメールを作成する5つの手順
①ステップメール送付の最終的な目標を決める
②目標に合ったシナリオを設計する
③シナリオをステップメールに落とし込む
④配信テストをする
⑤定期的に内容を見直しブラッシュアップする
なお、ステップメールを成功させるためには、ユーザーのニーズをよく分析した上でシナリオを作成し、1通に内容を盛り込み過ぎないように注意しましょう。
また、ステップメールを成功に導くためには、定期的にステップメールの効果を分析し、改善を繰り返していくことが特に大切です。
これらの情報をステップメールの集客を成功させるために役立ててください。