「Instagramをマネタイズしたいけど、広告運用は難しそう」
と思っていませんか。
結論からお伝えすると、“結果が出るルール”を守ってチャレンジすれば、“広告運用によるインスタ収益化”は、初心者でも可能です。
しかし、多くの方は、結果を出すまでに時間がかかります。失敗する原因は、テクニカル(技術的)な面から、広告運用を学び始めるからです。
シンプルに「売上を上げたい」なら、知るべきことの優先順位が違うのですが、そのことにビギナーのうちは気づけない、というジレンマがあります。
この記事では、最初に知っておけばInstagram広告運用で成功できる、珠玉のルールをお伝えします。
- 反応のよかった投稿を広告にする
- 写真はユーザー視点で撮影する
- ユーザーが「うん、うん」とうなずく言葉を使う
- ファンに向けて発信する
- ユーザーのコメントをよく読んで的確に返信する
- Instagramのヘビーユーザーになる
- ターゲティングは類似オーディエンスを使う
- WordPressを使う
これからInstagram広告運用にチャレンジする方はもちろん、現在伸び悩んでいる方にも、有益な情報です。さっそく、以下で詳しく見ていきましょう。
目次
1. 反応のよかった投稿を広告にする
1番目のルールは「反応のよかった投稿を広告にする」です。
1-1. かけ算してもゼロはゼロ
Instagram広告専用に、新しいクリエイティブ(広告用の素材)を準備するのではなく、
「オーガニック投稿(非広告の通常の投稿)の中で、反応がよかった投稿があったときに、それを広告化する」
ことをルールとしてください。
「反応がなかった投稿でも、広告で拡散すれば、成果が得られるのではないか?」
と思いがちですが、オーガニック投稿で反応がよくないクリエイティブは、広告でも反応がよくないからです。
「Instagram広告は、かけ算してもゼロはゼロ」と、心得ておきましょう。
1-2. Instagram広告の特徴:配信面がUGCと変わらない
なぜ反応のよかったオーガニック投稿を広告化すべきなのか、もうひとつ、“Instagram広告特有の理由”があります。
Instagram広告は、メインとなる広告の配信面が、UGC(*1)と変わらないのです。
*1:UGCとはUser Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)の略で、ユーザーのオーガニック投稿のこと。
▼ Instagram広告の例(発見)
上記のように、一見、広告とUGCの区別がつかない状態で、広告が配信されます(「Learn more」のボタンがある部分が広告です)。
ほかのオーガニック投稿と並列で広告配信されるため、オーガニック投稿で反応がよかったクリエイティブでなければ、広告化したところで反応が得られない、というわけです。
ちなみに、YouTube広告の場合、メインの広告とUGCの配信面は、明らかな違いがあります。
▼ YouTubeの例
YouTube広告のような、UGCと広告のフォーマットが異なる広告クリエイティブの手法を参考にしても、Instagram広告では結果が出ないので、ご注意ください。
1-3. 既存の投稿を広告化する方法
Instagramで既存の投稿を広告にする方法は、公式ヘルプセンターの「Instagram投稿を宣伝する」で解説されています。
以下は概要です。
▼ 既存の投稿を広告化する流れ
- プロフィールをビジネスアカウントに切り替える
- プロフィールを開く
- [広告ツール]→[投稿を選択]→広告化する投稿を選択する
- [次へ]→広告の詳細を入力して広告を作成する
広告化の作業自体は、アプリから簡単に実行できます。詳しくは「Instagram投稿を宣伝する」をご覧ください。
2. 写真はユーザー視点で撮影する
2番目のルールは「写真はユーザー視点で撮影する」です。
2-1. 売り手視点のクリエイティブはスルーされる
Instagramで、ほかの広告媒体のクリエイティブを使い回すと、多くの場合、失敗します。
いわゆる“広告っぽい”クリエイティブの多くは、「企業視点(売り手の視点)」だからです。
こういったクリエイティブが、Instagramのフィードに流れてきても、ユーザーは目を留めずに、スルーしてしまいます。
プロのカメラマンに撮影してもらった、ハイクオリティな写真が、Instagram広告で好成績を上げるとは限らないのです。
2-2. 写真はユーザーの目線で撮影する
ではどうすればよいのかといえば、まず「ユーザー目線の写真」を意識することです。プロの写真のような完璧さはいりません。
Instagramはもともと、「ユーザーが携帯電話で撮影した写真の共有」から始まっており、そのカルチャーは現在でも色濃く残っています。
言い換えると、広告クリエイティブにおいても「ユーザーがスマホで撮影したような写真」が、高い効果を出しやすいのです。
あえて、生活感や素人っぽさが残る写真が成功するケースは、数多くあります。
3. ユーザーが「うん、うん」とうなずく言葉を使う
3番目のルールは「ユーザーが『うん、うん』とうなずく言葉を使う」です。
3-1. 共感はInstagramで重要な心理
Instagramと「共感の感情」は、切っても切り離せない関係にあります。
そもそも、マーケティングの研究では、
〈ブランドとの関係性を築いていると答えた消費者のうち、64%がその理由として「価値観の共有」を挙げた〉
と報告されています(出典:Three Myths about What Customers Want)。
「ブランドの考え方や信念に“共感”できるかどうか?」が重要、というわけです。
とりわけInstagramは、
「共感を中心として、コミュニケーションが行われるプラットフォーム」
といっても過言ではありません。
3-2. 共感とは「うなずける」こと
共感できるクリエイティブとは何か、平易な言葉で言い直せば、
「うん、うん。私もそう思う」
と、ユーザーがうなずくクリエイティブです。
Instagram広告のコピーを書くときは、ユーザーのうなずきを引き出せる言葉を選んでください。
4. ファンに向けて発信する
4番目のルールは「ファンに向けて発信する」です。
4-1. ファンの心に届く発信を見たユーザーがファンになる
「新しい顧客を獲得するための広告なのに、既存のファンに向けての発信では、ターゲットがズレるのではないか?」
と思うかもしれません。
たしかに、新規顧客に照準を合わせて作られる広告は多数あり、それもひとつの正解です。
ですが、初心者の方でも早く成果を出しやすいルールとして、本記事でご提案したいのは、
「ファン向けの発信を、潜在顧客に覗き見してもらって、ファンの仲間入りをしてもらう」
という手法です。
その理由は、2つあります。
- 広告の発信よりも、ほかのユーザーの発信のほうが信頼される
近年、広告よりもほかのユーザーの意見や評価を信頼する傾向が強まっています。ファンからのコメントやいいねがついているファンに向けた投稿は、潜在顧客からの信頼を獲得するために有効です。 - 自然にターゲットが絞られて強い勝ちクリエイティブが完成する
漠然とした潜在顧客に向けて作るクリエイティブと比較して、実在するファンに向けた投稿は、自然と鋭いターゲティングが働きます。高度なマーケティングの知識がなくても、自然と強い勝ちクリエイティブ(高成果を上げるクリエイティブ)ができあがります。
以上の理由から、あなたのビジネスを、本当に気に入ってくれている人に向けたオーガニック投稿が、最高の広告クリエイティブというわけです。
4-2. まだファンがいない場合:「ファンベース」でファンをつくる
「でも、まだファンがいないのですが?」
「ファンが誰なのか、よくわかりません」
その場合、Instagram広告よりも先に、取り組むべきことがあります。「ファンづくり」です。
これは重要なポイントなのですが、
「Instagram広告で、ファンをつくろう」
とすると、失敗します。
Instagram広告は、“すでに存在しているファンを、さらに増やすとき”に効果を発揮する類いの施策だからです。
まだファンが存在していないフェーズで取り組むべき施策ではありません。
では、ファンをつくるために何をすべきかといえば、「ファンベースマーケティング」への取り組みが挙げられます。
おすすめの書籍を2冊、ご紹介します。
(1)企業・ブランド向け
「ファンベース」は、さとなお(@satonao310)こと佐藤尚之氏による提唱が有名です。
企業・ブランドのマーケティングであれば、上記の書籍『ファンベース』を読んでおくと、参考になるはずです。
ブランドがファンを獲得していくプロセスが、ロジカルに解説されています。
(2)個人・フリーランス向け
個人やフリーランスなど、「自分のファンをつくりたい」という方におすすめの書籍は、『ファンに愛され、売れ続ける秘訣』です。
ファンベースの骨子は前述の書籍と同じですが、「多数のファンを抱える個人」であるカリスマ営業の和田裕美氏の執筆です。
個人のファンをつくりたい方にとって、和田裕美氏の体験に基づくリアルな解説は、参考になるポイントが多くあります。
5. ユーザーのコメントをよく読んで的確に返信する
5番目のルールは「ユーザーのコメントをよく読んで的確に返信する」です。
5-1. コメント返信が重要な理由
Instagram広告では、コメントの返信が非常に重要です。
最重要は広告投稿についたコメントへの返信ですが、それ以外の投稿への返信も、真剣に行う必要があります。
その理由は、コメント返信とは、以下を示すことだからです。
- 投稿主(広告主)がアクティブである:ユーザーにとっては「商品やサービスを申し込んだのに、連絡が取れない」といったリスクへの不安が軽減します。
- ユーザーを大切にしている:小まめなコメント返信は、ユーザー・顧客を大切にしていることを示します。逆に、コメントに返信しないと「ユーザーを無視している(=大切にしていない)」と示すことになります。
- ユーザーと的確にコミュニケーションを取れる:的確にコメントの意図を汲んでやりとりしている様子は、ユーザーに安心感を与えます。
ユーザーからのコメントは、半日(1〜6時間)以内、遅くとも24時間以内には返信するようにしましょう。
コメントしたユーザーの意図から外れた返信で失望させないよう、コメントをよく読んで、的を射た適切な返信を心掛けてください。
繰り返しになりますが、「ユーザーのコメントをよく読んで」返信することが大切です。
よく読まずに、流れ作業のように返信すると、ユーザーを大切にしていないことが露呈します。ちょっとしたニュアンスのズレなどが生じるためです。ユーザーは敏感に察知します。
ユーザーのコメントをよく読んで、何を知りたいのか、なぜそのコメントをしたのか、咀嚼しましょう。咀嚼してから、“最も的確な答え”は何か考え、文章にして返信します。
5-2. 応用編:コメントが活性化するとエンゲージメントに好影響がある
応用編としては、コメントの返信を小まめにすることでコメントが増えると、エンゲージメントに好影響があります。
▼ エンゲージメントとは?
「いいね!」、シェア、コメント、動画再生、フォローなど、Metaのテクノロジーでシェアされたコンテンツに対して利用者が起こせるアクションのことです。エンゲージメントは、オーガニックリーチを増やすのに効果的です。
簡単にいえば、ユーザーにコメントしてもらうと、そのユーザーに類似したほかのユーザーのおすすめなどに、自アカウントが表示されやすくなります。
エンゲージメントは、Instagramのおすすめ表示などのアルゴリズムに、深く関係しているためです。
エンゲージメントという観点からも、コメント返信は非常に意味のあるアクションといえます。
6. Instagramのヘビーユーザーになる
6番目のルールは「Instagramのヘビーユーザーになる」です。
6-1. 発見・ストリーズ・フィード…資料を見ても理解できない
Instagramの広告配信面は、プロフィール、フィード、ストーリーズ、発見タブ、発見ホームがあります。
「ストーリーズ」や「発見タブ」が何を示しているのか、Instagramのユーザーなら容易に理解できるでしょう。
もし、Instagramのユーザーではなく、理解できない場合、「Facebook広告ガイド」に説明が書かれています。
ただし大切なことは、文字の説明を読むだけでなく、1人のユーザーとして、Instagramを利用してみることです。資料を読んでいても、本当の理解はできません。
6-2. ヘビーユーザーは広告運用の上達が早い
ここまでに、以下5つのルールをご紹介しました。
- 反応のよかった投稿を広告にする
- 写真はユーザー視点で撮影する
- ユーザーが「うん、うん」とうなずく言葉を使う
- ファンに向けて発信する
- ユーザーのコメントをよく読んで的確に返信する
これらのルールを自分のモノにして使いこなすスピードが、圧倒的に早いのは、自身がInstagramのヘビーユーザーである人たちです。
その理由として、Instagram広告は、マーケティングのロジックだけでは大きな成果が出しにくい特徴が挙げられます。
Instagramぽい空気感やカルチャー、ユーザー同士のコミュニティと感情、その時々で変化するInstagram内のトレンドなど、「肌感覚」で判断できることが強みになります。
Instagram広告で、本気で成果を出したいと望むのであれば、ユーザーとして日常的に、Instagramを使い倒してください。それが広告運用のトレーニングにつながっています。
7. ターゲティングは類似オーディエンスを使う
7番目のポイントは「ターゲティングは類似オーディエンスを使う」です。
7-1. 初心者が最も結果を出せるのは類似オーディエンス
「ターゲットオーディエンスは、どう設定すればよいですか?」
という質問に対しては、類似オーディエンスをおすすめします。
オーディエンスとは、Instagram広告を配信するユーザー群を指します。
Instagramでは、居住地・年齢・性別・行動など、さまざまなオプションでオーディエンスを絞り組むことができます。
オーディエンスを非常に細かく指定することも可能なのですが、初心者の方が最も結果を出しやすいのは、「類似オーディエンス」です。
類似オーディエンスは、あるユーザーと似た傾向を持つ人たちへ広告配信する方法です。
「4-2. まだファンがいない場合:「ファンベース」でファンをつくる」にてファンづくりについて触れました。
Instagram広告は、
「ファンと似た傾向を持つユーザーに対して、類似オーディエンスで配信する」
ところからスタートしてください。
7-2. 類似オーディエンスはFacebook広告マネージャで作成
実際の設定は「Facebook広告マネージャ」にて行います。
▼ 類似オーディエンス設定の流れ(概要)
- [オーディエンス]にアクセスします。
- [オーディエンスを作成]→[カスタムオーディエンス]を選び、[Instagramアカウント]→[このプロアカウントにアクションを実行したすべての人]※ を選択して、オーディエンスを作成します。
- [オーディエンス]の画面に戻り、[オーディエンスを作成]→[類似オーディエンス]を選び、先に作成したカスタムオーディエンスを、類似オーディエンスのソースとして設定します。
※カスタムオーディエンスを作成する際には、Instagramアカウントへのアクションのほか、既存顧客のリストなども設定できます。
詳しい手順は、公式の「Facebook広告マネージャで類似オーディエンスを作成する方法」にてご確認ください。
8. WordPressを使う
8つめのステップは「WordPressを使う」です。
8-1. ほとんどのサイトはWordPressで作られている
Instagram広告と連動してWebサイトやブログ、ランディングページなどを制作する際には、WordPressを使うようにしましょう。
WordPressは、ブログから高機能サイトまで、専門知識なしに作成できるツールです。
Web 上の43%のサイトが WordPress を使っています。個人ブログから大規模なニュースサイトまで用途はさまざまです。
上記のとおり、Web上の全サイトの43%はWordPressで作られており、日本国内のサイトのほとんどがWordPressで作られているといっても過言ではありません。
使っている人が多い分、トラブルシューティングや広告運用のノウハウを、容易に入手できます。初心者の方ほど、WordPressを使いましょう。
Webの知識がない方は、体系的に学べる入門書から入るのがおすすめです。
▼ 入門書の例:
8-2. WordPressプラグインの活用で効率化できる
WordPressには「プラグイン機能」があり、プラグインを導入することで機能の拡張ができます。
Instagram運用に有益なプラグインを利用できることも、WordPressを使うメリットです。
9. まとめ
以上、「Instagram広告運用でまったくの初心者でも結果が出る8つのルール」をお届けしました。
- 反応のよかった投稿を広告にする
- 写真はユーザー視点で撮影する
- ユーザーが「うん、うん」とうなずく言葉を使う
- ファンに向けて発信する
- ユーザーのコメントをよく読んで的確に返信する
- Instagramのヘビーユーザーになる
- ターゲティングは類似オーディエンスを使う
- WordPressを使う
さっそくルールを守って、Instagram広告運用にチャレンジしてみてください。大きな成果が得られるはずです。