「販促の方法にはどんなものがある?」
「自社の商品に最適な販促の方法は?」
販促(販売促進)について、このような疑問をおもちではありませんか?
販促の方法は、目的に応じて以下の3種類に分類されます。
①認知してもらう
②購買意欲を高める
③リピートを促す
つまり、何を目的とするかによって販促の方法が異なるため、商品や見込み客の特徴をよく分析した上で方法を選択することが大切になります。
また、販促には数多くの方法があるため、それぞれの内容について理解し比較検討することが、効果的な販促につながります。
そこでこの記事では、Webマーケティングにおける主な販促の方法20選について解説します。
「認知してもらう」ための販促 | ・インターネット広告・アフィリエイト広告・SNS運用 |
「購買意欲を高める」ための販促 | ・価格割引・キャッシュバック・送料無料・お試しキャンペーン・カウンセリング・デモンストレーション・限定キャンペーン・フラッシュセール・プレミアム手法・保証制度・増量パック・コンテスト |
「リピートを促す」ための販促 | ・ポイントシステム・メンバーシップ制度・クーポン配布・メルマガ・DM・定期購入特典 |
併せて、ケース別におすすめする販促の方法もお伝えします。
この記事を読むことで、Webマーケティングにおける販促にはどのような方法があるのかを一通り理解できます。そして、自社製品に最適な販促の方法はどれなのか、目星をつけることができるでしょう。
商品やサービスの売上を伸ばし、事業を発展させていくための第一歩として、ぜひ最後までお読みください。
1.「認知してもらう」ための販促3つの方法
まずは、商品やサービスを人々に認知してもらうための販促方法を確認しましょう。
どんなに素晴らしい商品も、その存在や利点が知られないままでは売れません。そこでまずは、ターゲットとなる人たちの認知度を上げることが必要になります。
商品やサービスを認知してもらうための販促には、以下3つの方法があります。
それぞれの内容について、解説していきます。
1-1. インターネット広告
インターネット広告とは、Webサイトやアプリ上に掲載される広告のことをいいます。
ほとんどの人が日常的にインターネットを使う現代においては、簡単に、かつ多くの人に対して商品やサービスをアピールできる方法として一般的になっています。
インターネット広告には、以下のような種類があります。広告の掲載を希望するメディアに問い合わせ、利用するという手順になります。
ディスプレイ広告 | サイトやアプリに設置された広告枠に表示される |
リスティング広告 | 検索エンジンの結果ページに表示される |
リターゲティング広告 | 過去にWebサイトを訪問したユーザーに対して、他のページで配信される |
SNS広告 | Facebook・Twitter・Instagram・LINEなどのSNSに配信される |
動画広告 | 動画プラットフォーム上でコンテンツの間や前後に表示される |
インターネット広告の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・ターゲットを細かく設定して広告を届けられる・効果の測定がしやすい・少額から始められる |
デメリット | ・運用にある程度のスキルが必要・ターゲット層以外にはアプローチしにくい |
具体例 | ・商品の関連KWを検索したユーザーに対して、結果ページ上部にテキスト広告を表示する・Instagramのタイムライン(フィード)に画像広告を表示する |
費用相場 | インターネット広告の費用には、表示回数に応じて支払うインプレッション課金とユーザーがクリックした場合に支払いが生じるクリック型課金の2種類があります。 【インプレッション課金】1000回表示につき100~1000円【クリック型課金】1クリックにつき10~500円 |
たとえば、女性靴の製造・販売を行う株式会社ダブルエーは、Facebookに広告を掲載し、カタログのように商品を閲覧してECサイトに流入させる導線を整えた結果、ROAS(広告回収率)が750%(※1)になりました。
このようにインターネット広告は、うまく活用することで非常に費用対効果の高い方法になることが期待できます。
(※1)デジタルマーケティングの成功事例8つと戦略の重要ポイントを解説(サンロフト)
1-2. アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は「成果報酬型広告」とも呼ばれます。法人サイトや個人ブログなどのメディアに広告を掲載してもらい、そこからユーザーの流入を狙う方法です。
アフィリエイト広告もインターネット広告の一部ですが、掲載の手順が異なるため別にご紹介しています。
アフィリエイト広告の場合は、掲載を希望するメディアではなく、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)と契約して広告を出稿します。
一方のメディア運営者は、ASPに出稿されている広告の中から希望するものを選び、自分のメディアに掲載するという流れになります。
アフィリエイト広告の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・オウンドメディアを作成する手間が省ける・多種多様なメディアに広告が出せる |
デメリット | ・固定費用がかかる・自社のイメージにそぐわないメディアに掲載される場合がある |
具体例 | ・カロリーコントロール商材について、健康情報サイトやSNSの美容系アカウントなどに広告を表示してもらう |
費用相場 | ・初期費用:5万円前後・月額費用:5万円前後・成果報酬:1販売あたりの金額を広告主が設定・手数料:成果報酬の30%前後 |
たとえば、情報通信サービスを提供する株式会社ビッグローブは、お得情報サイト(個人メディア)にアフィリエイト広告と限定クーポンコードを掲載しました。その結果、注文数が3.5倍以上(※2)になったのです。
このように、商品やサービスとの親和性が高いメディアや、影響力の大きい運営者に掲載してもらえると、アフィリエイト広告は強力な効果を発揮します。
(※2)バリューコマースアフィリエイト
1-3. SNS運用
SNS運用とは、企業や商品のアカウントを作成し、SNSで情報発信する方法です。
商品の特徴や関連する有益情報を掲載することで、ユーザーに関心をもってもらうことができます。また、リプライやアンケート機能を活用すれば、ユーザーとコミュニケーションをとることも可能です。
SNS運用の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・費用がほとんどかからない・拡散によって幅広い層に広告できる・ユーザーの声をヒアリングできる |
デメリット | ・定期的な更新を行う手間がかかる・間違った情報やマイナスイメージが拡散される場合もある |
具体例 | ・Instagramに商品のおすすめポイントと使い方の画像を掲載する・Twitterで商品を紹介し、商品名のハッシュタグをつけて拡散を促す |
費用相場 | ・コンテンツ作成にかかる費用以外は基本的に無料 |
一方で、SNS運用には大きな注意点があります。それは、狙ったターゲット層に適したSNSを選択しないと効果がないということです。
主なSNSのユーザー層は以下のようになりますので、自社製品のターゲットが多く利用しているものを運用するようにしましょう。
20歳代が圧倒的多数を占める | |
10~30歳代、女性比がやや高い | |
30~40歳代、実名登録制 | |
LINE | 10~60歳代まで幅広い層で多数が利用している |
たとえば、抹茶スイーツ販売の伊藤久右衛門は、LINE公式アカウントで新商品・限定商品の情報や割引クーポン、クイズなどの企画を発信しています。
このLINE公式アカウントを導入してから、友達登録してくれたユーザーの約3割が商品サイトにアクセス(※3)するようになり、商品購入に大きく貢献しているそうです。
このように、SNSユーザーの興味を引きフォローしてもらえるようになると、商品購入への導線が作りやすくなります。
(※3)SNSマーケティング成功事例5選!動画を使った効果的な戦略を解説(KAIZEN PLATFORM)
2.「購買意欲を高める」ための販促12の方法
次に、見込み客の購買意欲を高めるための販促方法を確認しましょう。
商品やサービスを認知して関心をもった見込み客は、購入するかどうかという検討の段階に入ります。そこでいかに購買意欲を高めるかが、購入に至るかどうかの分かれ道になるのです。
見込み客の購買意欲を高めるための販促には、以下12の方法があります。
それぞれの内容について、解説していきます。
2-1. 価格割引
価格割引はその名の通り、商品やサービスの価格を定価よりも下げる方法です。
購入の障壁となりやすい価格をコントロールすることは、見込み客の「それなら買ってみよう」という気持ちを後押しします。
価格割引の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・話題性や集客力が高い・販売数が増えやすい |
デメリット | ・利益率が低くなる・ブランドイメージが低下する場合がある |
具体例 | ・初回購入に限り20%を割引する・訳あり商品を30%割引で販売する |
価格割引は見込み客にとってインパクトの大きい方法ですが、安易に繰り返すのは危険です。
なぜなら、いつも値引きしているというイメージがついてしまうと、見込み客は商品に価値を感じなくなってしまうからです。また、利益率が低い状態が続いては、企業の財政も圧迫されるでしょう。
価格割引を行う場合には、「期間限定」「割引条件」など、一定の制約を設けることが大切です。
2-2. キャッシュバック
キャッシュバックとは、顧客が商品を購入した後に現金を割り戻す方法です。
見込み客に「お金が戻ってくるならお得だ」という気持ちになってもらい、購入を促します。新規顧客の獲得だけではなく、固定客の維持にも役立つ方法です。
キャッシュバックの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・正規の価格を維持できるため、安売りというマイナスイメージをもたれにくい・キャッシュバックの手続きにあたって顧客情報を入手できる |
デメリット | ・手続きのシステムや財源確保が必要・手続き業務が負担になる |
具体例 | ・商品を購入時、価格の一部を自動的に割り戻す・商品を購入後、顧客に応募手続きをしてもらい、一定額を割り戻す |
キャッシュバックでは、現金の振り込みや為替の送付という方法だと、返金手続きにかかる業務が大変になる可能性があります。また、口座情報や住所といった個人情報を提供することに、顧客が抵抗を感じる場合もあるでしょう。
その点を回避するために、メールでキャッシュバックの手続きを案内・実行できるシステムも活用されています。
また、直接現金を割り戻すのではなく、商品購入時に付与したポイントを換金できるという形をとる企業も増えています。
2-3. 送料無料
オンラインショップの商品を送料無料にするという方法も、効果的です。
なぜなら、送料無料は見込み客の背中を押す強い一手になるからです。その証拠に、朝日大学マーケティング研究所による調査では以下のような結果が出ています。
・ネットショッピングの際に「送料を必ず確認してから購入する」人の割合は84.4%
・同一商品で「商品価格2000円、送料500円」と「商品価格2500円、送料無料」の2つの価格表記を比べた場合、84.2%の人が後者を買う可能性が高いと回答した
つまり、見込み客の「買うか買わないか」の判断には送料の有無が大きくかかわっており、送料無料は同じような価格帯の競合商品に打ち勝つ切り札になるということです。
送料無料の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・訴求力が高い・競合商品と差別化できる |
デメリット | ・客単価が低くなる・赤字にならないための線引きが難しい |
具体例 | ・全国一律送料無料・〇円以上購入で送料無料 |
送料無料の注意点は、それでも利益率を維持できる価格設定にするということです。梱包サイズや発送地域の平均値をふまえて、慎重に検討しましょう。
2-4. お試しキャンペーン
お試しキャンペーンとは、見込み客が商品やサービスを体験できる機会を作る方法です。
この方法では、正規の価格で正式に購入する前に、少量パックを提供したり無料トライアル期間を設けたりします。それによって見込み客は商品やサービスのよさを実感し、購入に踏み切りやすくなるのです。
お試しキャンペーンの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・商品やサービスの魅力をダイレクトに伝えられる・購入のハードルが下がりやすい・誠実な企業だという印象を与えられる |
デメリット | ・お試し用の商品やサービスを用意する手間と費用がかかる・適する商材が限られる |
具体例 | ・化粧品のトライアルセットを販売する・ビジネスツールを一定期間無料で利用できるようにする |
たとえば、オンラインフィットネスサービスのLEAN BODYは、2週間の無料体験キャンペーンを実施しています。併せて独自性の高いレッスン動画を提供することに努め、2019年から2020年の間で有料会員数を約900%伸ばしました(※4)。
このように、見込み客が商品やサービスの質に納得できるようにすると、購入してもらえる可能性が格段に高くなります。
(※4)新規顧客獲得のキャンペーンを紹介!購買意欲を高める成功法がわかる(ナイルのSEO相談室)
2-5. カウンセリング
カウンセリングとは、見込み客とやりとりして商品やサービスに対する疑問・不安を解消する方法です。Web上で行う場合には、メールやチャット・ビデオによる問い合わせ対応という形になります。
商品ページに気軽に問い合わせできる窓口を設置しておくことで、見込み客は「まずは相談してみよう」という気持ちになり、購入に向けた一歩を踏み出しやすくなります。
カウンセリングの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・見込み客と直接やりとりできる・商品やサービスに対する見込み客の声を収集することができる |
デメリット | ・対応システムや人材の準備が必要・対応の質を維持するのが難しい |
具体例 | ・商品ページに問い合わせフォームを設置し、メールで返信する・サイトの各ページにチャットサービスへのバナーを設置する |
カウンセリングでは、見込み客のニーズを聞き出して商品選びのアドバイスをすることもできます。誠実な対応をすれば見込み客の信頼を得られ、さらに購買意欲が高まることでしょう。
2-6. デモンストレーション
デモンストレーションは、実際に商品を使っている様子を見込み客に見せる方法です。広告を動画で作成したり、ウェビナーを開催したりするのがこれにあたります。
実際に使用している様子を見ると、見込み客は自分がその商品を利用する姿を具体的にイメージでき、購入するという判断を下しやすくなるのです。
デモンストレーションの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・文字の広告よりも訴求力が高い・商品やサービスの魅力を直接説明できる |
デメリット | ・担当者によって効果が変動しやすい |
具体例 | ・商品ページに使い方解説動画を掲載する・ツールをプレゼンテーションするウェビナーを開催する |
デモンストレーションでは、商品に関する多くの情報を、視覚・聴覚双方から見込み客に伝えることができます。しかしながら、その利便性と相手への負担は表裏一体です。
見込み客にとって「知りたい情報が過不足なく載せられていて、気軽に見られる」内容を吟味することが大切です。
2-7. 限定キャンペーン
限定キャンペーンは、商品やサービスに以下のような限定条件をつけて販売する方法です。
・期間限定
・数量限定
・対象者限定
・購入方法限定
「今だけ」「あなただけ」というメッセージを送ることで、見込み客の「これを逃したくない」という気持ちを高めて購入につなげます。
限定キャンペーンの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・スピーディに購入される可能性が高い・話題性が高く拡散されやすい |
デメリット | ・内容や頻度が不適切だとブランドイメージが低下する |
具体例 | ・人気クリエイターとのコラボレーション商品を100個限定で販売する・SNSのフォロワー限定で初回購入10%オフクーポンを提供する |
期間や数量限定の場合には、残りの日数や個数を表示することで希少性をさらにアピールでき、効果的です。
一方、限定キャンペーンの注意点は、「告知通り限定にすること」です。限定を謳っているのにいつまでも販売されているようでは、見込み客の信頼を失ってしまいます。
2-8. フラッシュセール
フラッシュセールとは、期間限定で大幅な商品値引きを行う販売方法のことをいいます。
限定キャンペーンの一種になりますが、大幅な値引きという点に特徴があり、より大規模で効果が大きいものとイメージしてもらうとよいでしょう。
有名なところでは、Amazonブラックフライデーや楽天フラッシュバーゲンのようなやり方になります。
フラッシュセールの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・販売数が増えやすい・速やかに成果を得られる・余剰在庫の処理がしやすい |
デメリット | ・利益率が低くなる・ブランドイメージが低下する場合がある |
具体例 | ・毎月1日に最大80%オフのセールを行う・毎日19:00~20:00限定で70%オフクーポンを配布する |
たとえば、アメリカの結婚式ドレスストアであるケネディブルーは、終了までのカウントダウンタイマーをサイトに設置してフラッシュセールを行いました。その結果、売上が50%以上アップ(※5)したのです。
このように、見込み客に「今買わなければ」という切迫感を感じてもらえると、購入を強く後押しすることができます。
(※5)11 Amazing Sales Promotion Examples for Your Product!(BIT.AI Blog)
2-9. プレミアム手法
プレミアム手法とは商品やサービスに特典をつけて販売する方法で、いわゆる「おまけ」です。商品を購入した顧客に対して、グッズや金券を進呈します。
見込み客にとっては、「おまけ分お得」という気持ちになるほか、おまけの価値が高ければそれ自体を手に入れるために商品を購入する場合もあります。
プレミアム手法の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・競合商品と差別化できる・話題性が高く拡散されやすい |
デメリット | ・特典の準備に手間と費用がかかる・魅力的な特典にするためには入念な検討が必要 |
具体例 | ・PC購入者にマウスをプレゼントする・商品購入者に抽選で金券を進呈する |
特典を進呈方法には、「もれなく行う」「懸賞にする」の2種類があります。見込み客や商品の特徴・財源の状況に応じて効果的な方を選択しましょう。
注意点としては、おまけには限度額があるということです。「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」という法律によって、過大な景品類を消費者に提供することが禁じられているからです。
そのため、プレミアム手法を計画する場合には、事前に景品表示法を確認するようにしてください。
2-10. 保証制度
保証制度とは、商品についてのアフターサービスや返金システムを充実させる方法です。
インターネットショッピングでは、商品の実物を確認することなく購入の意思決定をしなければなりません。この点が、見込み客に「商品の質が悪かったらどうしよう」という不安を与えます。
そこで、購入後も手厚くサポートすることや、気に入らなければ返金可能である旨を伝えられると、見込み客は安心して購入に踏み出すことができるのです。
保証制度の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・商品やサービスの質に自信があることをアピールできる・誠実な企業だという印象を与えられる・商品やサービスに対する購入者の声を収集することができる |
デメリット | ・制度をトラブルなく運用するためのシステム構築が必要・保証対応のために財源を確保しなくてはならない・適する商材が限られる |
具体例 | ・商品に対するアフターサービス専用窓口を設けて周知する・購入後〇日以内であれば返品・返金OKにする |
保証制度のうち返金保証については、「景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)」という法律によって広告方法が規定されています。
そのため、返金保証を計画する場合には、事前に景品表示法を確認するようにしてください。
2-11. 増量パック
増量パックとは、商品やサービスの価格はそのままで、内容量を増やす方法です。消耗品を何個か多くつけたり、サービスの使用可能量を増やしたりするのが、これにあたります。
見込み客の「同じ値段なら増量分お得」という気持ちを刺激し、購入を後押しするほか、競合商品より選ばれやすくする効果も見込めます。
増量パックの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・競合商品と差別化できる・値引きによるブランドイメージの低下を防げる |
デメリット | ・増量に対応するパッケージやシステムの準備が必要・適する商材が限られる |
具体例 | ・化粧品や洗剤を通常より100ml増量する・ビジネスツールの使用可能アカウント数を通常より5つ増やす |
たとえば、菓子メーカーの森永製菓は、2013年の春にミルクココアの内容量(通常300グラム)を1割増やして数量限定で販売しました。その結果、同年4~5月の出荷額は前年を2割上回った(※6)のです。
このケースでは増量と限定の相乗効果が現れたと思われますが、見込み客の「増えると嬉しい、助かる」に応えることができると、購入してもらいやすくなります。
(※6)「今だけ増量」で販売が伸びる商品、伸びない商品(NIKKEI STYLE)
2-12. コンテスト
コンテストとは、見込み客に広告活動に参加してもらうイベントを開催することをいいます。具体的には、商品の使用状況についてSNSに投稿してもらう、アンケートを行って回答者に景品を進呈するなどの方法です。
見込み客にとって魅力的なイベントが開催されると、それに参加するために商品を購入したり、盛り上がりを見ることで「自分も買ってみたい」という気持ちになったりします。
コンテストの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・話題性が高く拡散されやすい・魅力的な企業というイメージによってファンを獲得しやすくなる |
デメリット | ・ルールやシステムの整備が必要・意図しない拡散や炎上の危険性もある |
具体例 | ・購入した服のコーディネート画像を、共通のハッシュタグをつけてSNSに投稿してもらう・新商品のネーミングを募集し、優良回答者に景品を進呈する |
たとえば、アメリカのポテトチップスであるレイズは、新しいフレーバーをユーザーに選んでもらい、受受賞者に100万ドル以上の賞金が当たるというコンテストを行いました。その結果、コンテストのFacebookページには2,250万を超えるアクセスがあり、売上は前年比で12%増加(※7)したのです。
このケースでは賞金が破格ですが、見込み客参加型の広告ができると売上が伸びるという見本にはなるでしょう。
(※7)11 Amazing Sales Promotion Examples for Your Product!(BIT.AI Blog)
3.「リピートを促す」ための販促5つの方法
続いて、商品やサービスを購入してくれた顧客にリピートを促すための販促方法を確認しましょう。
商品やサービスを繰り返し購入する固定客の存在は、売上の向上・安定に大きく貢献してくれます。そのため、いかに固定客を増やすかということが販促の重要なポイントになるのです。
顧客にリピートを促すための販促には、以下5つの方法があります。
それぞれの内容について、解説していきます。
3-1. ポイントサービス
ポイントサービスとは、商品購入時にポイントを付与し、そのポイントによって値引きや特典などのサービスを行う方法です。
購入を重ねるほど多くのポイントが貯まるため、顧客はそのポイントを使ったりさらに貯めようとして、リピートしてくれることにつながります。
ポイントサービスの特徴は、以下の通りです。
メリット | ・商品やサービスに付加価値をつけることができる・競合商品と差別化できる・ポイントアップ商品や強化期間など、他のマーケティング戦略につなげやすい |
デメリット | ・サービスの運用システムを準備する必要がある・うまく運用できないと負債になる恐れがある・ポイント会計処理をしなければならない |
具体例 | ・購入時にポイントを付与し、次回購入時の支払いに使用できるようにする・一定のポイントが貯まったら景品と交換する |
ポイントサービスには、以下の2種類があります。
・購買やサービスを利用した企業のみで獲得・利用可能な「ハウスポイント」
・特定の企業だけでなく加盟する他の企業で幅広く獲得・利用可能な「共通ポイント」
自社のリソースや運営方針によって、適する方を選ぶことが必要になります。
3-2. メンバーシップ制度
メンバーシップ制度とは、顧客に会員登録を促し、その内容に応じてサービスを提供することをいいます。具体的には、購入時に会員特典を設けたり、会員限定のイベントを行ったりする方法です。
顧客に「特別扱いされている」「大切にされている」という感覚になってもらい、ロイヤルティを高めてリピートを促します。
メンバーシップ制度の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・顧客情報を入手できる・顧客情報に応じた適切なアプローチを行うことができる |
デメリット | ・個人情報の提供を拒否する顧客もいる・顧客情報を管理するシステムが必要 |
具体例 | ・会員の誕生日にクーポンを進呈する・会員ランクに応じて限定商品の購入権を付与する・会員のみが参加できるセールを開催する |
欧米の調査結果ではありますが、顧客ロイヤルティについては以下のようなことがわかっています。
・消費者の83%は、ロイヤルティプログラムによって特定の企業との取引を継続する可能性が高くなると述べている
・消費者の49%は、ロイヤルティプログラムに参加した後、より多くの支出を許容すると述べている
つまり、メンバーシップ制度によって顧客のニーズに応えられると、リピート率と客単価が上がる可能性が高いということになります。
3-3. クーポン配布
クーポン配布は、顧客に以下のようなものを配布する方法です。
・無料クーポン
・割引クーポン
・お試しクーポン
・送料無料クーポン
・友達紹介クーポン
・お誕生日クーポン
このようなクーポンのうち、次回の購入で利用できるものを配布すると、リピートしてもらいやすくなります。
クーポン配布の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・販売数が増えやすい・クーポンでお得になった分余剰の購入が発生し、客単価が高くなる傾向にある・有効期限を設定することで一定期間内での成果が見込める |
デメリット | ・クーポン管理のシステムが必要になる・クーポンありきでしか購入しない顧客が発生する可能性がある |
具体例 | ・クーポン利用で通常配送料が無料・SNSの友達追加で購入金額から500円オフクーポンを進呈 |
マイボイスコム株式会社の調査によると、2020年時点で「直近1年間に何らかのクーポンを利用した」人の割合は72.0%でした。調査対象者は10~70歳代と幅広く、その中で7割以上の利用率ということは、クーポンが人々の消費活動に深く浸透している表れでしょう。
また、実店舗の例にはなりますが、菓子メーカーのBAKEは、LINE公式アカウントの友だちを対象に「チーズタルト6個以上購入の方に1個追加でプレゼント」というクーポンの配布しました。その結果、クーポン利用率は全店平均で約30%、客単価は通常時の1.7倍(※8)という数字を記録したのです。
これらのことから、クーポン配布はもはやマストと位置付けてもよい販促方法であり、その効果は明らかだといえます。
(※8)LINE公式アカウントでファンを獲得!お菓子のスタートアップBAKEのLINE活用術(LINE)
3-4. メルマガ・DM
メルマガ・DM(ダイレクトメール)は、顧客にメールを送って情報提供する方法です。購入や問い合わせの際にメールアドレス・アカウントを入手した顧客に対して、おすすめ商品やお買い得キャンペーンなどの情報を記載したメールを送ります。
メールを受け取った顧客に企業や商品のことを思い出してもらい、リピートを検討するきっかけを作ります。
メルマガ・DM(ダイレクトメール)の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・顧客に直接アプローチでき、距離感が近くなる・個々の顧客に合わせた広告を届けることができる |
デメリット | ・必ず開封してもらえるとは限らない・内容や頻度によっては迷惑がられる危険性がある |
具体例 | ・新商品や限定商品を紹介するメールを送る・流行りのニュースや生活で使える裏技などのお役立ちコンテンツを送信する |
この方法では、全ての顧客に同じ内容のメールを送るのではなく、できるだけ個々の顧客に合わせた対応をすることが重要になります。具体的には、居住地域や購入履歴に応じて、それに関連する情報を提供できると効果的です。
たとえば、メルマガ配信システムのblastmailでは、ターゲットに合わせたコンテンツの作成・配信を行ようにしたところ、1ヶ月あたりの無料トライアル獲得数が約6倍(※9)になりました。
このように、パーソナライズされたメルマガ・DMを実現できると、多くのリピートを獲得できる可能性があります。
(※9)メールマーケティングの成功事例を紹介!効果が出る4つの共通点とは?(blastmail)
3-5. 定期購入特典
定期購入特典とは、商品の定期購入コースを設けて、利用した顧客に値引きや付加サービスを提供する方法です。
顧客にとっては、継続して購入したい商品が自動的に届き、さらに特典が受けられるということで、楽でお得という気持ちでリピートされやすくなります。
定期購入特典の特徴は、以下の通りです。
メリット | ・利益や仕入れが安定するため管理しやすい・顧客情報を入手できる |
デメリット | ・確実に定期コースを維持するため、トラブル防止に注意を払わなくてはならない・定期コース利用客のための対応窓口が必要 |
具体例 | ・化粧品を定期購入すると通常価格から15%オフ・定期購入3回につき商品を1個プレゼント |
この方法における注意点は、定期購入の解約条件や方法について顧客に明示するということです。顧客にとって「解約したいのに叶わない」という状況が起きてしまっては、クレームやマイナス情報の拡散といったトラブルになる危険性があるからです。
4.【ケース別】おすすめの販促方法
最後に、ケース別におすすめする販促方法をご紹介しておきましょう。
以下のケースについて、ここまでに解説した販促の方法をどのように活用したらよいか解説していきます。
あなたの商品やサービスに近いケースを参考に、ベストな方法を検討してみてください。
4-1. 新商品はとにかく認知度を上げる
新商品の販促では、とにかく見込み客の認知度を上げることが欠かせません。商品の存在や特徴を知ってもらわないことには、購入してもらえるはずがないからです。
そのため、以下のような方法を活用することをおすすめします。
販促方法 | 例 |
---|---|
インターネット広告 | リスティング広告を出稿する |
アフィリエイト広告 | 商品と親和性の高いジャンルのブログに広告を掲載してもらう |
SNS運用 | 商品の公式アカウントを作成し、特徴やベネフィットを発信する |
デモンストレーション | SNSに商品を実際に使用している動画をアップする |
お試しキャンペーン | 初回限定のトライアル商品を低価格で販売する |
商品の情報が拡散されるような、かつ具体的な内容が伝わりやすい広告を行った上で、見込み客が商品を実際に試せる機会を設けるのが効果的です。
4-2. 継続してほしい商品ではロイヤルティ向上を
消耗品やサブスクなど、継続して購入してほしい商品の販促では、顧客ロイヤルティを高めることが重要です。商品や企業に愛着をもってもらうことが、選ばれ続けることにつながるからです。
そのため、以下のような方法を活用することをおすすめします。
販促方法 | 例 |
---|---|
SNS運用 | 公式アカウントで情報発信やフォロワー限定キャンペーンを行う |
送料無料 | リピートや定期コースの送料を無料にする |
ポイントサービス | ポイントを次回の購入や景品交換に利用できるようにする |
メンバーシップ制度 | 購入を重ねると会員ランクが上がり、値引きや限定特典がつくようにする |
メルマガ・DM | パーソナライズされたレコメンドやお役立ち情報を送信する |
定期購入特典 | 利用しやすく特典が多い定期購入コースを設ける |
固定客になることで受け取れる特典を充実させ、顧客満足度を高めるのが効果的です。また、SNSやメールを通して顧客と積極的にコミュニケーションをとり、対応や商品にニーズを反映させると、よりファン化を促進できます。
4-3. 競合商品が強い場合には特典を強化
競合商品が強い場合の販促では、さまざまな特典を強化するのが効果的です。それによって、見込み客に「同じような機能・価格ならこちらの方がお得」と思ってもらうことが大切だからです。
そのため、以下のような方法を活用することをおすすめします。
販促方法 | 例 |
---|---|
割引価格 | 初回購入・期間限定などで商品価格を下げる |
キャッシュバック | 商品代金の一部をもれなく割り戻す |
送料無料 | 全国一律送料無料にする |
お試しキャンペーン | 無料トライアル期間を設ける |
プレミアム手法 | 商品にもれなくノベルティをつける |
増量パック | 商品の価格はそのままでプラス1個をプレゼントする |
クーポン配布 | すぐに使える割引クーポンを配布する |
見込み客にとって魅力的な特典を複数用意し、購入のハードルをできる限り下げましょう。特典の内容は、競合商品についてリサーチした上でしっかりと差別化できるものを検討してください。
4-4. 高額商品では見込み客の安心を誘う
高額商品における販促では、見込み客が安心して購入に踏み切れるようにフォローすることが大切です。
高額商品をネット上で購入するとなると、誰しも「失敗したらどうしよう」と不安になるでしょう。その点をしっかり解決できると、購入に踏み出しやすくなります。
そのため、以下のような方法を活用することをおすすめします。
販促方法 | 例 |
---|---|
SNS運用 | 公式アカウントを充実させ、信頼できる企業だということをアピールする |
お試しキャンペーン | 購入前に無料で商品を試せる機会を作る |
カウンセリング | 購入前の問い合わせ窓口を設け、不安や疑問を解消する |
デモンストレーション | 商品ページに、実際に使用している様子を動画で掲載する |
保証制度 | 返品・返金を可能にする |
見込み客が、購入前に十分な情報収集と企業とのやりとりを経て検討し、納得した上で購入に至るような導線を整えるのが効果的です。
4-5. BtoBなら検討材料を豊富に提供
BtoB商材の販促では、購入の検討に役立つ材料を豊富に提供するようにしましょう。
BtoBではBtoCと異なり、担当者個人の判断で購入を決めることが難しい場合が多いからです。検討資料を社内に持ち帰り、議論できるような環境を提供することがポイントになります。
そのため、以下のような方法を活用することをおすすめします。
販促方法 | 例 |
---|---|
価格割引 | どの条件でいくら割引できるのか明示する |
カウンセリング | チャットやメールでやりとりし、疑問や要望をヒアリングする |
デモンストレーション | ウェビナーを開催し、商品についての説明や質疑応答をする |
保証制度 | 返品や解約が可能な条件・方法を丁寧に説明する |
定期購入特典 | 定期購入割引を設けるほか、アフターサービスも充実させる |
購入前にしっかり検討できること、購入後も誠実な対応を約束することを伝えられると、購入してもらえる可能性が高まります。
5. まとめ
この記事では目的別にWebマーケティングにおける販促の方法を20種類ご紹介しました。
商品やサービスを販売し利益を上げていくために販促は欠かせないものです。しかし、闇雲に行っても効果は出ないため、それぞれの方法についてしっかりと理解した上で、最適なものを選べるようにしたいですね。
ぜひ本記事を参考に、Webサイトの販促効果を最大限高めていただければ幸いです。