Twitter広告の運用に成功している広告主と、そうでない広告主は、何が違うのでしょうか。
そのひとつの答えは「習慣」です。
ネット社会も、ユーザーも、Twitter自身も変化し続けるなか、一過性の成功ではなく、長期的に高いパフォーマンスを出し続けている広告主には、以下の特徴があります。
- Twitter広告とGoogle広告の違いを知っている
- キーワード選定に時間をかけている
- 最新のTwitterミームに詳しい
- Twitterで話題のトピックをチェックしている
- 広告フォーマットにこだわらない
- 迷ったら基本に立ち返る
- Twitter公式の一次情報をキャッチアップしている
- 常に作業の効率化を実行している
この記事では、成果を数%アップさせる表面的なテクニックではなく、将来的に何十倍もの成長をもたらす本質をお届けします。
これからも長くTwitter広告に取り組む予定の方は、ご一読ください。
目次
1. Twitter広告とGoogle広告の違いを知っている
1つめは「Twitter広告とGoogle広告の違いを知っている」です。
1-1. Google広告のようにTwitter広告に取り組むと失敗する
大部分の広告主は、Twitter広告が初めての広告出稿ではありません。
多くの場合、先にGoogle広告(リスティングやディスプレイ広告)を経験します。
Google広告で、ある程度の結果が出たところで、拡大を目指してTwitter広告に展開するケースは、少なくありません。
じつは、ここに失敗のワナがあります。Google広告の延長線上でTwitter広告に取り組んでも、結果は出にくいからです。
1-2. Google広告になくTwitter広告にあるのは「関係性」
Google広告とTwitter広告の重要な違いは、関係性(リレーションシップ)の有無です。
Googleのリスティング広告(検索結果に表示される広告)やディスプレイ広告は、「露出」としての側面が大きいのです。
▼ Google広告
出典:Google 広告
広告主のキャラクターは伝わりにくいですし、自分の友人やフォローしているインフルエンサーが、その広告にどう反応しているか?を、知ることもできません。
しかし、Twitter広告は、異なります。
▼ Tweet広告
Tweet広告から感じられる広告主のキャラクター、その広告に反応しているほかのユーザー、寄せられている反応が、可視化されているからです。
1-3. リレーションシップマーケティングの延長でTwitter広告を手がける
Twitter広告で成功する広告主は、「広告施策を実施する」というよりも「リレーションシップマーケティングの延長」でTwitter広告を手がけています。
リレーションシップマーケティングは、顧客との長期的な関係性(絆)づくりを重視するマーケティング手法です。
「企業ツイッターはことばで地道に、共感を介して未来のお客さんを耕す行為」
これは、SHARP シャープ株式会社(@SHARP_JP)の中の人として有名な、山本隆博氏の言葉です。
従来のマス広告を振り返ってみると、どれもちょっと強そうなイメージ。
でも人は、そこまで勇ましく生きていないし、そもそも、広告に対しても強さや憧れを求めていないのではないかというのが、山本さんの見解です。
孤独な時間にツイッターを覗く人に、強いことばを投げるのは無茶がある。だからこそ、上から目線でも、偉そうにでも、一方的にでもなく、同じ目線になって、「私もあなたと同じ」だと「よわい言葉」で伝えること。
出典:モノカキモノ会議
Twitter広告の直接的なハックではありませんが、成功するTwitterの広告主は、
「Twitterという空間にふさわしいコミュニケーション」
を熟考しています。
詳しくは「中 (の人の) 中 −公式ツイッターで考えた、ことばとか広告のゆるくない話−」をご覧ください。
2. キーワード選定に時間をかけている
2つめは「キーワード選定に時間をかけている」です。
2-1. キーワード選定はリスティング広告のごとく
先ほど「Google広告とTwitter広告は違う」とお伝えしましたが、逆に、Google広告のメソッドを流用したほうがよいシーンがあります。
それは「キーワード選定」です。
成功する広告主は、まるでリスティング広告(検索広告)のように、Twitter広告のキーワード選定に時間と労力をかけています。
2-2. 補足:ツイートや検索に基づくターゲティング
Twitter広告のターゲティングに詳しくない方のために補足説明をすると、Twitterには「キーワードターゲティング」の機能があります。
キーワードターゲティングには、「検索」と「タイムライン」の2種類が用意されています。
(1)検索:Twitterで検索された言葉
Twitterで検索された言葉は、利用者がそのときに最も興味を持っている事柄を表しています。キーワードターゲティングでは、たとえば、あなたのビジネスに関連することを検索した利用者にツイートを届けることができます。このターゲティングは、あなたのビジネスに関係のあるカルチャーイベントや周期的な行事、業界イベントのタイミングで使うと特に効果的です。
たとえば、ランニングシューズを製造している会社は、マラソンに関連するツイートを検索した利用者をターゲティングすることができます。そのためには、一般的なキーワード(マラソン、トレーニング、ランニングなど)だけでなく、イベントをテーマにしたキーワード(ボストンマラソン、ロンドンマラソン、パタゴニア国際マラソンなど)も指定します。
(2)タイムライン:ユーザーがツイートした言葉
ツイートは、利用者の「いま」、つまり利用者が今考えていること、感情、ニーズなど、利用者の状況を明確に表しています。タイムラインのキーワードターゲティングでは、利用者がツイートした事に基づいて、利用者の状況に応じたツイートを届けることができます。
たとえば、旅行会社は、「夏の旅行を計画中」、「ビーチでバケーション」、「旅のヒント」のような言葉をターゲティングすると、旅行の計画について最近ツイートした利用者にリーチできます。
2-3. 深く顧客を理解してユーザーが使う言葉を探り当てる
コンバージョン率の高い、的確なキーワードを選定するために必要なのは、深い顧客理解です。
顧客のことをよく理解すると、「顧客が、どんな言葉を使うのか?」が見えてきます。
顧客理解の実践は多岐にわたるため、ここで手法の解説はできませんが、有益な書籍をご紹介します。
西口 一希 『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』
こちらをおすすめする理由は、自社ブランドについての数問の調査で作成できる2つのフレームワーク「顧客ピラミッド」と「9セグマップ」を使って、ターゲットとすべき全顧客を可視化・定量化する手順が解説されているためです。
顧客理解というと、心構えや姿勢など、概念的な話に終始しがちですが、上記の書籍では、具体的な実践法を学べます。
3. 最新のTwitterミームに詳しい
3つめは「最新のTwitterミームに詳しい」です。
3-1. ミームとは?
ミームとは、簡単にいえばTwitter特有のカルチャーや、流行っているネタ・画像のことです。
▼ 参考:ミーム
生物の遺伝子のように伝えられていく人間社会の習慣や文化。インターネット上で人から人へ伝えられて増殖するネタや画像のことをネットミームと呼ぶ。
出典:現代用語の基礎知識
3-2. ミームを知らずにバズを作るのは難しい
Twitterに限らず、ネットマーケティングにおいては、ミームは「バズ」を作るために重要です。
ミームそのものを利用しなくても、ミームを通じて時代の空気感やノリなど、その瞬間、そこに存在するユーザーのリアルを捉えることが、ユーザーの共感を呼ぶからです。
成功している広告主は、ミームをよく知っています。
ミームを知っているからこそ、
「今、自分たちはどんなクリエイティブを出稿すべきか」
を、肌感覚でも、判断できるのです。
3-3. ミームを知るためのアクション
では、どうやってミームを知ればよいのかといえば、一番は、自身がTwitterユーザーとなって、“Twitterという場所にいる”ことです。
日常的にTwitterを利用している人は、意識して情報収集しなくても、自然とミームを知っています。
逆にいえば、そのように自然に伝わってくるものが、ミームです。
より積極的にミームに関して情報収集したい場合には、Twitterで[Twitter ミーム]と検索する、ミームのまとめサイトを探す、などの方法があります。
4. Twitterで話題のトピックをチェックしている
4つめは「Twitterで話題のトピックをチェックしている」です。
4-1. Twitterで価値があるのは「今起こっていること」
Twitterが、InstagramやTikTokなどのSNSと大きく異なるのは、「今起こっていること」に重きがあることです。
Twitterは「今起こっていること」を話題にして、人々がつながるプラットフォームです。
発信するツイートが商品やサービスに関する内容であっても、カジュアルな会話であっても、それらを盛り上がっている最新の話題に関連づけることは、Twitter利用者とのつながりを深める有効な手段になります。
成功する広告主は、Twitterでは広告出稿の「タイミング」が重要であることを理解しています。
だから小まめに「今起こっていること」をチェックしているのです。
4-2. 過去のモーメントカレンダーを活用する
これから盛り上がる話題を先読みしたいときには、「過去のモーメントカレンダー」も活用しましょう。
以下は「4月に盛り上がる話題は?」の引用ですが、季節性のある話題なら、事前に把握が可能です。
出典:Twitter Moment Calendar 202204-06
先ほど「2. キーワード選定に時間をかけている」にてキーワード選定について触れましたが、タイミングを見計らったキーワード選定には、上記資料が役立つでしょう。
5. 広告フォーマットにこだわりがない
5つめは「広告フォーマットにこだわりがない」です。
4-1. その時々で最適なモノを柔軟に選ぶ
どういうことかといえば、広告フォーマットは手段でしかないので、その時々で柔軟に、最適なモノを選ぶスタンスです。
広告には、ad fatigue(アドファティーグ、広告疲れ)という現象があることを知っておきましょう。
どんなに効果的な広告であっても、やがて摩耗して、効果がなくなります。別の言い方をすれば、「広告には、賞味期限がある」ということです。
※現在Twitter広告で利用できるフォーマットは「Twitter広告のフォーマット」にてご確認ください。
4-2. 米国でβテスト中の新フォーマット
「賞味期限が長くて効果が高い、ユーザーにとって新鮮な広告」
という意味では、新しいフォーマットに、どんどんチャレンジしましょう。
2022年3月時点の情報として、Twitterの公式ブログに「新しい広告フォーマットをテストしています」と投稿がされています。
以下に一部抜粋して引用します。
(1)コレクション広告
コレクション広告では、主画像とその下の最大5つの小さなサムネイル画像を表示することで商品を紹介できます。主画像は静止したまま表示し、サムネイルは水平スクロールで閲覧することができます。画像からは、それぞれ別のウェブサイトや商品のランディングページに誘導することができます。
ニューバランス、レクサス、ボーズ、その他一部の米国ブランドは、プロダクトエクスプローラー広告とコレクション広告を試験的に導入する予定です。
出典:Twitter ブログ
(2)インタラクティブテキスト広告
インタラクティブテキストでは、テキストを活用する全く新しい方法を提供します。これらの広告では、テキストがTwitterの標準よりも大きく太いフォントで表示されます。広告文中にある最大3つの単語を太字で強調して表示することができ、クリックで任意のランディングページに消費者を誘導することができます。また、ハイライトの色を10色から選ぶことができます。
タイムラインをスクロールする際に広告が目に留まりやすくなるだけでなく、強調された単語が消費者の広告コピーへの関心を高める新たな方法です。
Oreo、Bud Light、Wendy’sなど、いくつかのブランドが米国でこのフォーマットをテストする予定です。
出典:Twitter ブログ
(3)プロダクトエクスプローラー広告
プロダクトエクスプローラー広告では、Twitterで初めて自社製品を3Dで紹介できるようになります。消費者は、ブランドの商品をスワイプしたり回転させたりして、さまざまな角度から商品を確かめることができます。表示された商品の詳細を閲覧後購入の準備ができた消費者は、広告のショップボタンをクリックすることで広告主のウェブサイトに移動することができます。
出典:Twitter ブログ
新フォーマットの導入直後は、広告効果が高くなる傾向にあります。ユーザーにとって目新しく、広告疲れがまったく起きていないからです。
上記のなかではとくに、2番目の「インタラクティブテキスト広告」のインパクトが大きいと予測され、導入されたら早いタイミングで参入したいところです。
6. 迷ったら基本に立ち返る
6つめは「迷ったら基本に立ち返る」です。
6-1. うまくいかないときは基本から外れたときと考える
成功している広告主が、天才的なアイデアで秘密を実行していたり、最新ハックでコントロールしていたりすることはありません。
驚くほど実直に、基本を実行しているだけの成功者も、数多くいます。
うまくいかないとき、
「どこが、基本からズレているのかな?」
と顧みる習慣を持っています。
6-2. Twitter広告のベストプラクティス 10項目
具体的に何が基本なのかといえば、Twitter for Business が公表している「広告のベストプラクティス」が挙げられます。
以下に、要点(見出し)だけ抜粋します。
▼ Twitter広告のベストプラクティス
- ツイート本文は短くし、利用者の興味関心を引く表現を使う
- 訴求力のあるアクション誘導を取り入れる
- すぐに行動を起こす必要があることを伝える
- 不要な出口を作らない
- 初めは自動入札を利用する
- 訴求力のあるビジュアルを取り入れる
- 動画を活用する
- 複数のツイートを展開してクリエイティブに変化を付ける
- さまざまなターゲティングオプションを模索してオーディエンスを見つける
- Twitter広告キャンペーンを常時チェックし、最適化する
それぞれの詳細は、「広告のベストプラクティス」にてご確認ください。基本に立ち返る習慣を持ちましょう。
7. Twitter公式の一次情報をキャッチアップしている
7つめは「Twitter公式の一次情報をキャッチアップしている」です。
7-1. Twitterが発信する一次情報は質が高い
先ほどご紹介した「広告のベストプラクティス」もそうですが、Twitterが発信する一次情報は質が高いことをご存じでしょうか。
国内外のさまざまなサイトがTwitter広告のノウハウを発信していますが、元をたどれば、Twitterの公式情報を出典としているケースも、少なくありません。
Twitterしか所有していないデータを分析した、骨太の記事が多く、貴重な情報源です。
7-2. チェックしておきたいページのリスト
具体的にチェックしておきたいページを以下にリストにしましたので、ご利用ください。
8. 常に作業の効率化を実行している
最後に8つめは「常に作業の効率化を実行している」です。
8-1. 単純作業を効率化して時間を生み出す
ここまでに7つの習慣をご紹介しましたが、
「情報をインプットする習慣が多い。そんな時間は、自分にはない」
と感じた方もいるかもしれません。
Twitterで成功している広告主に共通するのは、Twitter広告の運用にかかわる単純作業はどんどん効率化して、自分の時間を生み出していることです。
生み出した時間を、より重要な思考や情報収集に充当することで、さらに大きな成功を引き寄せています。
9. まとめ
以上、「Twitter広告運用で成果を出し続ける広告主に共通する8つの習慣」をお届けしました。
- Twitter広告とGoogle広告の違いを知っている
- キーワード選定に時間をかけている
- 最新のTwitterミームに詳しい
- Twitterで話題のトピックをチェックしている
- 広告フォーマットにこだわらない
- 迷ったら基本に立ち返る
- Twitter公式の一次情報をキャッチアップしている
- 常に作業の効率化を実行している
これらを習慣にしていただければ、今後、長きにわたってTwitter広告で好成績を出し続けられるはずです。さっそく今日から、実践していただければと思います。