「Web広告を配信したいけれど、どのような種類があるのかわからず選べない」
このようにお悩みの人もいるでしょう。
Web広告は種類によって、テキストのみで表示されたり画像や動画で表示されたりといった違いがあります。また、配信される場所や、適した商品やサービスも異なるため、それぞれの特徴を理解することが重要です。
選ぶ広告の種類を間違えると、せっかく費用をかけて広告を出稿しても、想定していたような成果が得られない可能性が高くなります。
そこで、この記事では広告の種類を徹底分類し、誰にでもわかるようにわかりやすく解説しています。
自社の商品やサービスに適したWeb広告を選ぶためにも、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.Web広告には8つの種類がある
Web広告にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴・費用・適したターゲットが異なります。そのため、自社の商材に合わせた広告選びが非常に重要になります。
以下は、Web広告の種類と特徴です。
広告の種類 | 特徴 |
---|---|
リスティング広告 | ユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果に表示されるテキストのみの広告 |
ディスプレイ広告 | Webサイト・アプリの広告枠に主に「画像+テキスト」または「動画+テキスト」で配信される広告 |
SNS広告 | FacebookやTwitterなどのSNSプラットフォームに配信する広告 |
動画広告 | 動画で自社商品やサービスを宣伝する広告 |
アフィリエイト広告 | 媒体主にブログやSNSで掲載してもらう広告 |
ショッピング広告 | 検索結果に画像付きで表示される、物販に特化した広告 |
記事広告 | 第三者が商品やサービスの魅力を記事にまとめ、Webサイトにアップする広告 |
リターゲティング広告 | 自社のWebサイトを訪れたユーザーを追跡して配信する広告 |
ここから、各Web広告について詳しく解説していきます。
2.リスティング広告の特徴と費用
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果画面に表示されるテキストの広告です。
検索に連動して表示されるため、検索連動型広告とも言われます。
2-1.リスティング広告の特徴
リスティング広告は以下のように、通常表示される検索結果よりも上に表示されます。
そのため、検索結果を見たユーザーの目に留まりやすいというメリットがあります。
また、ユーザーが実際に検索したキーワードによって広告表示されるため、商品やサービスに一定の関心を持ったユーザーにアプローチしやすく、費用対効果が高めです。
例えば、水のトラブルに対応する工事店がリスティング広告を配信したとします。ユーザーが「シンク 水漏れ」で検索した場合に表示されれば、シンクの水漏れを修理して欲しいユーザーに対して効果的にアプローチが可能です。
2-2.リスティング広告に適したターゲット
リスティング広告に適したターゲットは、自分が欲しい商品・サービス・情報を自覚している顕在層です。
ユーザー自身が検索したキーワードによって広告が配信されるため、反対にそれらを自覚していない潜在層には適しません。
また、相性の良いサービスは緊急性の高いサービスです。水漏れ・鍵の紛失・ロードサービスなど、ユーザーが「すぐにどうにかしたい」と感じるような緊急性の高いサービスであれば、情報ではなくそのサービスを扱う業者などを探しているケースが多いからです。
検索結果の上部に探しているサービスの業者が表示されれば、クリックされる可能性も高くなるでしょう。
2-3.リスティング広告の費用
リスティング広告は、クリック単価と広告の品質を判断基準とし、オークション形式で掲載順位が決定されます。
広告を出稿する際に、キーワードごとに「クリック単価」の上限金額を設定します。その金額が競合よりも高い場合は掲載順位が上がる仕組みです。
広告が表示されただけでは、広告費は発生しません。なぜならリスティング広告は「クリック課金制」だからです。
クリック課金とは、ユーザーによって1回クリックされるごとに費用が発生する課金方式です。つまり、ユーザーにクリックされなければ広告費が発生しないため、無駄なコストがかかってしまう心配がありません。
また、広告の品質が加味されて広告ランクが決定されます。広告ランクも掲載順位に影響するため、広告の品質も高めなければなりません。
具体的には、広告と、広告をクリックした際に遷移するランディングページが、ユーザーにとって有用かで判断されます。
詳細は、Google広告ヘルプの「品質スコアについて」を確認しましょう。
◾️推定平均クリック単価の確認方法
クリック単価の相場は、キーワードによって大きく異なります。そのため、相場がどのくらいかを知ってもあまり当てになりません。
例えば、住宅・金融・車などの高額商材に関するキーワードや多くの企業が広告を出したいと考えるキーワードは、クリック単価が高額になる傾向があります。
反対に、あまり検索されることがないキーワードであれば競合も少ないため、クリック単価は低くなるでしょう。
しかし、狙いたいキーワードにどのくらいのクリック単価を設定すればいいのか判断できない人は多いでしょう。そこで、Googleの「キーワードプランナー」を活用して、推定平均クリック単価を確認しましょう。
例えば、以下はキーワードプランナーで「化粧水 20代」というキーワードを調べた結果です。
赤枠①がページ上部に掲載された広告の低額帯の入札単価で、赤枠②がページ上部に掲載された広告の高額帯の入札単価です。
どの程度の価格帯が目安になるかを確認できるだけでなく、関連性の高いキーワードも知ることができます。
出稿する際は、自社の商材のCVRを想定した後に、いくらまで予算を出せるか検討を行い、1クリック辺りの単価を設定しましょう。
また、あらかじめ「撤退ライン」を決めておくことも重要です。撤退ラインを超えた場合、一度出稿を停止し、戦略を練り直しましょう。
3.ディスプレイ広告の特徴と費用
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリなどに設置された広告枠に配信される広告です。バナー広告とも呼ばれます。
リスティング広告と異なり、テキストだけでなく、「画像+テキスト」もしくは「動画+テキスト」を組み合わせたバナーで広告を表示できます。
3-1.ディスプレイ広告の特徴
以下はYahoo!ニュースの画面ですが、右側に表示されている広告がディスプレイ広告です。
ディスプレイ広告は、テキストだけでなく画像や動画を広告に含められるため、リスティング広告よりも多くの情報をユーザーに伝えることが可能です。
また、検索連動型広告ではないため、ユーザーが訪れたWebサイトに広告枠があれば広告が配信されます。つまり、ユーザーが自社の商材に関連することを調べていない場合でも、広告を表示させることが可能です。
例えば、目的なくネットサーフィンをしている女性がいたとします。
あるサイトの広告枠に「あなただけのサプリを毎月お届け」という広告が画像と共に表示され、「そういえば毎日の栄養の偏りが気になるな」「便利そう」と興味を持ちクリックするといった流れです。
また、バナーや動画のクリエイティブが高品質で目を引くものであれば、よりユーザーの興味をひいてクリックしてもらえる可能性が高まります。認知拡大やブランディングにも活用できるでしょう。
■クリエイティブとは?
広告でいうクリエイティブとは、広告用に作成したコンテンツすべてを表します。バナー広告であればバナーデザイン、動画広告であれば動画がクリエイティブに当てはまります。
3-2.ディスプレイ広告に適したターゲット
ディスプレイ広告は、ユーザーが訪れたサイトやアプリの広告枠に表示されます。そのため、自身でキーワードを検索するリスティング広告と異なり、自分の欲求に気付けていない潜在層にもアプローチが可能です。
自社の見込み顧客を増やしたい場合には、ディスプレイ広告が適しているでしょう。
3-3.ディスプレイ広告の費用
ディスプレイ広告の費用相場は、以下のように媒体によって異なります。
Googleディスプレイ広告 | クリック課金 | 50〜100円/1クリック |
---|---|---|
インプレッション課金 | 10〜500円/1,000回表示 | |
コンバージョン課金 | 目標CPA(顧客獲得単価)の1.5倍程度/コンバージョン1件 | |
Yahoo!広告 | クリック課金 | 50〜100円/1クリック |
インプレッション課金 | 数十〜数百円/1,000回表示 |
インプレッション課金は広告1,000回表示あたりの費用で、コンバージョン課金は広告からユーザーがコンバージョンに至った場合の費用です。
1日の上限予算を設定できるため、予想以上に広告費が発生してしまうリスクを防ぐことが可能です。
4.SNS広告の特徴と費用
SNS広告は、FacebookやTwitterなどのプラットフォームに配信する広告です。
媒体ごとにユーザー層が異なるため、媒体選びが重要になります。
SNS広告については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
4-1.SNS広告の特徴
SNS広告は通常の投稿と同じフィード内に表示されるため、他の広告よりもユーザーに受け入れられやすいという特徴があります。
主なSNSごとの特徴は以下の通りです。
・実名登録が基本であるため、ユーザーが登録した情報を元に精度の高いターゲティングができる ・既存顧客と属性やWebでの行動が似ているユーザーをターゲットとして配信する「類似オーディエンス」で顧客の新規開拓ができる ・社会人ユーザーが多く、BtoB商材と相性がいい | |
・Facebookの傘下であるため、Facebookで収集したデータが活用できる ・20〜30代女性の利用率が高く、コスメや美容グッズなどの女性向け商材と相性がいい ・スマホでは画面全体に画像や動画を表示でき、ブランドイメージを効果的に訴求できる | |
・10〜30代の利用が多い ・詳細なターゲティングには向かないが、ユーザーの関心や嗜好傾向を軸にしたターゲティングができる ・広告が「いいね」や「シェア」などで拡散されやすい ・拡散された広告が表示・閲覧されても課金されない | |
TikTok | ・10〜20代を中心とする若年層の利用が多く、若年層に向けた広告と相性がいい ・広告の種類は多いが、クリエイティブは動画のみ ・広告を全画面表示させることができ、広告に意識を集中させることができる |
LINE | ・他のSNSよりも利用者が群を抜いて多く、幅広い年齢層にアプローチできる ・他の広告ではアプローチが難しい60代以上にもアプローチできる ・他のLINEプロダクトから得たデータをターゲティングに活用できる |
広告はそれぞれの媒体で、以下のように表示されます。
このように、広告と感じられにくい形で表示させることができるため、他の広告よりも悪印象を持たれにくいのがSNS広告最大のメリットでしょう。
4-2.SNS広告に適したターゲット
SNS広告は基本的に動画や画像を用いた広告であるため、潜在層にアプローチしやすい広告です。
SNSをチェックする際に、おしゃれな動画や面白い画像が気になり、広告でスクロールの手を止めたことがある人は多いのではないでしょうか。
そこから自社の商品やサービスに興味を持ってもらえれば、ユーザーが広告をクリックする可能性があるため、潜在層へのアプローチだけでなく、認知拡大などにも効果を発揮します。
4-3.SNS広告の費用
SNS広告は、以下のように媒体によって課金方式も費用相場も異なります。
SNSの媒体 | 課金方式・広告メニュー | 費用相場 |
---|---|---|
クリック課金 | 100〜200円/1クリック | |
インプレッション課金 | 100~500円/1,000回表示 | |
動画再生課金 | 100~200円/1再生 | |
クリック課金 | 40~100円/1クリック | |
インプレッション課金 | 500~1,000円/1,000回表示 | |
動画再生課金 | 4~7円/1再生 | |
インストール課金 | 100~250円/1インストール | |
クリック課金 | 24~200円/1クリック | |
インプレッション課金 | 400~650円/1,000回表示 | |
フォロー課金 | 40~100円/1フォロー | |
インストール課金 | 100~250円/1インストール | |
エンゲージメント課金 | 40~100円/1エンゲージメント | |
動画再生課金 | 5~20円/1再生 | |
TikTok | インフィード広告 | 42万~625万円/1日 |
起動画面広告 | 770円/1,000回表示 | |
ハッシュタグチャレンジ | 1,000~2,000万円 | |
ブランドエフェクト | 380~720万円 | |
ブランドオークション広告 | ・クリック課金:30~100円/1クリック ・インプレッション課金/100~1,000円/1,000回表示 ・再生課金:50~60円/1再生 | |
LINE | クリック課金 | 24~200円/1クリック |
インプレッション課金 | 400~650円/1,000回表示 | |
友だち追加課金 | 150~250円/友達追加1人 |
TikTokは、広告の種類が他のSNSと異なります。広告ごとの特徴は、以下を参考にしてください。
インフィード広告 | 投稿と同じフィードに広告を表示 |
スプラッシュスクリーン広告 | ・1日1社限定でアプリ起動時に表示される広告 ・スプラッシュスクリーンのみ静止画 ・認知拡大が目的 |
ハッシュタグチャレンジ | ・ユーザーが企業のハッシュタグをつけて投稿する参加型広告 ・認知拡大が目的 |
ブランドエフェクト | ・エフェクトでメイクなど自社の商品やサービスをシミュレーション体験してもらう ・認知拡大が目的 |
ブランドオークション広告 | オークション形式の運用型広告 |
5.動画広告の特徴と費用
動画広告は、その名の通り動画で自社商品・サービスを宣伝する広告です。YouTubeやSNSだけでなく、GoogleやYahoo!などでも配信できます。
5-1.動画広告の特徴
動画広告はテキストや画像を使った広告よりも、短時間で多くの情報を届けられるという特徴があります。また、ストーリー性を持たせやすく、ユーザーの印象に残りやすい点もメリットと言えるでしょう。
YouTubeの場合は、以下のように動画の再生前や再生中に広告が流れます。
電通などの4社が共同で発表している「日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」という調査結果によると、Web広告の中で動画広告は以下のように割合が増えてきています。
- 2019年:19.1%
- 2020年:22.0%
- 2021年:23.8%
TikTokのような、動画のみのSNSが浸透したことも影響しているかもしれません。今後はさらに動画広告の需要が増える可能性が高いのではないでしょうか。
5-2.動画広告に適したターゲット
動画広告に適したターゲットは、潜在層のユーザーです。目を引く動画を配信できれば、自社の商品やサービスを知らないユーザーに対しても、効果的なアプローチができます。
そのため、自社の認知拡大やブランディングにも活用できます。
5-3.動画広告の費用
動画広告の課金方式は、主に以下の種類があります。
- クリック課金
- インプレッション課金
- 動画再生課金
掲載する媒体によって費用相場は異なります。SNSの動画広告は「4-3.SNS広告の費用」を確認してください。
◾️Youtube広告の費用
YouTube広告の場合は、SNSの動画広告と異なり次のような課金方式があります。
- 30秒以上視聴されると課金になる「CPV」
- 表示回数ごとに課金される「CPM」
- 動画のリンクがクリックされると課金になる「CPC」
- 1日広告を掲載すると費用が発生する「CPD」
広告の種類と掲載位置、課金方式は以下の通りです。
広告の種類 | 掲載箇所 | 課金方式 | 費用相場 |
---|---|---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 | 動画の再生前後、または再生中 | CPV/CPC | 2〜25円/1再生 |
スキップ不可のインストリーム広告 | 動画の再生前後、または再生中 | CPM | 400〜600円/1,000回再生 |
TrueViewディスカバリー広告 | 動画の再生前後※5秒後にスキップできる動画、もしくは15秒のスキップ不可動画 | CPV | 3〜20円/1再生 |
バンパー広告 | 動画の再生前後、または再生中※6秒以下の動画でスキップ不可 | CPM | 400〜600円/1,000回再生 |
マストヘッド広告 | YouTubeのホームフィード上 | CPD/CPM | 数百万円〜/1日※Googleに要問合わせ |
6.アフィリエイト広告の特徴と費用
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターと呼ばれる媒体主にブログやSNSで掲載してもらう広告です。
一般的なのが商品の口コミ・使い方・使用した感想などをまとめたブログに、その商品やサービスのアフィリエイト広告を貼るという方法です。
6-1.アフィリエイト広告の特徴
アフィリエイト広告は、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)サイトを利用するか、Googleアドセンスで配信するかのどちらかです。
ASPサイトの場合は、広告主が広告を出したい商品をASPサイトに登録し、アフィリエイターが掲載したい商品を選んで、ブログやサイトなどに掲載するという流れです。
対して、Googleアドセンスはアフィリエイターがブログやサイトに設置した広告枠に、ユーザーに適したリターゲティング広告やディスプレイ広告などが配信される仕組みです。そのため、広告主がアドセンスで表示されるGoogle広告を利用していれば、アフィリエイトの広告枠に自動で配信されます。
以下は、ある美容系サイトのページです。中央の広告がASPで、周囲に表示されているのがGoogleアドセンスの広告です。
このように、アフィリエイターによって記事内に広告が設置されます。
6-2.アフィリエイト広告に適したターゲット
アフィリエイト広告の場合は、広告が掲載される場所によってターゲットが異なります。
例えば、商品の口コミ・使い方・使用した感想などを紹介されている記事にその商品のアフィリエイト広告が表示されている場合は、ユーザーは商品自体が気になり情報を収集している可能性が高く、顕在層に効果的だとわかります。
しかし、SNSでのアフィリエイトの場合は自社の商品やサービスを知らない人の目にも留まるため、潜在層の獲得にも役立つでしょう。
Googleアドセンスの場合は広告主が掲載する商品を選べませんが、ユーザーに適した広告が自動的に配信されるため、基本的には顕在層向けと言えるでしょう。
6-3.アフィリエイト広告の費用
アフィリエイト広告はコンバージョンに応じて報酬を支払う形式であることが多いため、費用対効果が高い広告です。
ASPサイトの報酬形態には、主に以下の種類があります。
定率型 | 商品販売価格の数%を支払う |
定額型 | コンバージョン1件につき定額を支払う |
広告を掲載する商品価格によって費用は大きく異なります。
報酬以外にも、ASPサイトを利用するための月額費用が3~5万円、アフィリエイターに支払う報酬の30%ほどの手数料が必要です。
初期費用が必要なサイトもあるため、登録前に確認しておきましょう。
7.ショッピング広告の特徴と費用
ショッピング広告は物販に特化した検索連動型広告です。商品を値段などの情報とともに、画像付きで掲載できます。
7-1.ショッピング広告の特徴
ショッピング広告はリスティング広告と同様に、ユーザーの検索に連動して以下のように検索結果に表示されます。
このように、リスティング広告よりも上に表示されるため、ユーザーの目を引きやすいという特徴があります。画像・商品の価格・商品名を掲載できるので、ユーザーにクリックされやすい広告です。
特にスマホで表示した場合は画面の占有率が多いため、ユーザーに対してしっかりとアピールできます。
例えば、ユーザーが「〇〇のノートパソコンが欲しい」と考えて、「〇〇 ノートパソコン」で検索したとします。その場合は〇〇というブランドのノートパソコンがショッピング広告に表示されるため、ユーザーがさまざまなサイトで商品を探す手間が省けるのです。
検索結果画面以外の掲載箇所は、以下の4か所です。
- Google検索のショッピングタブ
- Google検索の画像タブ
- Google検索の外部パートナーサイト
- YouTube・Gmail・Google Discoverを含むGoogleディスプレイネットワーク
ショッピング広告を出稿するためには、Google Merchant Centerに商品情報の登録を行い、Google広告と連携させます。
商品情報は常に最新の状態を保つ必要があり、情報と実際の商品に齟齬があると広告を掲載できなくなる可能性があるので、掲載商品が多いほど管理に手間がかかる点がデメリットです。
セール期間中に商品が値下げされたり、在庫がなくなったりした場合は、その情報を商品情報にも反映させなければなりません。
しかし、管理が煩雑であることからショッピング広告を活用する企業は他の広告よりも少ないため、ショッピング広告を出稿することで掲載される可能性は高いというメリットもあります。
7-2.ショッピング広告に適したターゲット
ショッピング広告はユーザーが検索したキーワードによって表示されます。
そのため、表示された商品に一定以上の関心があるユーザーに配信される広告なので、顕在層にアプローチしやすい広告です。
7-3.ショッピング広告の費用
ショッピング広告の費用は、競合が少ない分他の広告よりも安いという特徴があります。
課金方式はクリック単価ですが、1クリック10~30円が相場と言われています。
また、ショッピング広告はショッピングタブに無料で広告を掲載できる「無料リスティング」も利用できます。有料ショッピング広告のすぐ下に表示され、無料でも十分効果的にアピールすることが可能です。
無料リスティングは完全無料で広告を掲載できるため、費用をかけずに広告を出稿したい人におすすめですが、有料ショッピング広告と併せて運用し、掲載面を増やすためにも活用できます。
■Google広告を配信するなら覚えておきたい「P-MAXキャンペーン」
ショッピング広告は従来、細かな運用に適した通常のショッピングキャンペーンと、運用を自動化するスマートショッピングキャンペーンが選べました。
しかし現在は、スマートショッピングキャンペーンは選択できなくなっており、代わりにP-MAXキャンペーンを利用できるように変化しています。
P-MAXキャンペーンとは、2021年11月から利用可能になった新しい広告プロダクトで、1つのキャンペーンからすべてのGoogle広告掲載面に配信できるという特徴があります。
今までは配信面ごとに広告キャンペーンを作成しなければなりませんでしたが、P-MAXキャンペーンを活用すれば1つのキャンペーンのみで管理でき、手間を軽減できるということです。
スマートショッピングキャンペーンはP-MAXキャンペーンに統合されているため、他のGoogle広告にも出稿し、ショッピング広告の運用を自動化したい場合はP-MAXキャンペーンを活用しましょう。
8.記事広告の特徴と費用
記事広告は、広告主ではない第三者が商品やサービスの魅力を記事にまとめ、Webサイトにアップする広告手法です。タイアップ広告・PR広告とも呼ばれます。
8-1.記事広告の特徴
掲載サイト内の記事一覧と同じように掲載できるため、以下のように自然に広告を表示できます。
このように、記事広告には「PR」などの表記があります。
PR記事内で商品やサービスをアピールしてもらえるため、商品やサービスの良さを存分に伝えることができます。
また、記事自体が面白い・有益なものであれば、他の広告では反応してもらえない層にもアプローチすることが可能です。
多種多様なメディアが記事広告の掲載を募集しています。より効果を得るためにも、ファッション関連の広告ならファッション系メディアを選ぶなど、自社の商品やサービスと関連性のあるメディアに記事広告を依頼することが大切です。
8-2.記事広告に適したターゲット
記事広告は、記事の一覧に他の記事と同様に表示されるため、SNS広告のように潜在層にアピールしやすい広告です。
PR記事のタイトルやキャッチアップが良ければ、商品やサービスに対して「欲しい」「気になる」と感じていなかったユーザーも、クリックしてくれる可能性があります。
8-3.記事広告の費用
記事広告は掲載費の他に、PR記事の作成費が必要です。そのため、他の広告に比べて高額になりやすいという特徴があります。
作成費用は、調査や取材の有無などによって大きく異なります。
また、掲載費用は以下の2パターンで設定されているケースがほとんどです。
PV保証 | 想定されるPV数によって価格が定められる |
掲載期間 | 記事広告を掲載する期間で価格が定められる |
記事広告の費用相場としては、1か月の掲載でおよそ100~200万円ほどです。媒体の知名度によってはさらに高額なケースもあります。
9.リターゲティング広告の特徴と費用
リターゲティング広告は、自社のWebサイトを訪れたユーザーを追跡して配信する広告です。Googleではリマーケティングと呼ばれます。
9-1.リターゲティング広告の特徴
リターゲティング広告は、ユーザーがすでに認知している商品を他の広告面が設置されたサイトで広告表示できます。そのため、離脱したユーザーに商品やサービスを再度訴求することができるという特徴があります。
特に、高額商品の場合はユーザーが検討のためにサイトを離脱することが多いため、リターゲティング広告での再訴求は効果が得やすいでしょう。
また、リターゲティング広告は媒体の広告枠があれば配信されるため、WebサイトやSNSなどさまざまな場所に広告を掲載できます。
■リターゲティング広告の仕組みと注意点
リターゲティング広告がユーザーを追跡するために、Cookieを利用します。Cookieとは、Webサイトを閲覧した際に、訪れたサイト・入力したデータ・利用環境などの情報を記録するファイルです。
仕組みを詳しく説明すると、以下のような流れで広告が配信されます。
- 自社サイトにCookie用タグを設置
- 自社サイトを訪問したユーザーにCookieを付与
- Cookieを保存してユーザー情報をリスト化
- 広告枠のあるサイトをユーザーが訪れた際に広告を配信
このように、リターゲティング広告はCookieの利用が不可欠な広告です。しかし、最近では個人情報を守るために、Cookieの規制が進んでいます。
AppleのブラウザであるSafariではCookieの規制が非常に厳しく、リターゲティング広告の配信が難しい状況です。また、Googleでも今後規制が始まる予定であるため、リターゲティング広告だけに頼るのはおすすめしません。
9-2.リターゲティング広告に適したターゲット
リターゲティング広告は、ユーザーが自らチェックした商品やサービスの広告が配信されるため、顕在層に適した広告です。
購買前の離脱率や、かご落ちが多い場合などは、効果的な広告と言えるでしょう。
9-3.リターゲティング広告の費用
リターゲティング広告の費用は、以下のように媒体によって課金方式や金額が異なります。
Googleディスプレイ広告 | クリック課金 | 50~100円/1クリック |
---|---|---|
インプレッション課金 | 10~500円/1,000回表示 | |
Yahoo!広告 | クリック課金 | 50~100円/1クリック |
インプレッション課金 | 10~500円/1,000回表示 | |
Facebook広告 | - | 1,000円~/1日 |
予算の上限設定は可能なので、想定以上に費用が発生することはありません。
8.Web広告で成果を出すための種類の選び方3つ
ここまで、8種類のWeb広告を紹介してきましたが、結局どの広告が自社の商品やサービスに合うのか判断できない人もいるでしょう。
Web広告を選ぶ判断基準は以下の3つです。
- 広告の出稿目的
- 広告を出稿する商品・サービス
- ターゲットの年齢層
適切なWeb広告を選ぶために、これらの選び方について解説します。
8-1.広告の出稿目的
まず、広告を出稿する目的から広告の種類を絞り込みましょう。
目的は主に以下の3つに分けられます。
- 売上の向上
- 認知拡大
- 見込み顧客の獲得
目的別に各広告を当てはめると、以下のようになります。
売上の向上 | ・リスティング広告 ・アフィリエイト広告※媒体による ・ショッピング広告 ・リターゲティング広告 |
認知拡大/見込み顧客の獲得 | ・ディスプレイ広告 ・SNS広告 ・動画広告 ・記事広告 |
認知拡大と見込み顧客の獲得は、どちらも潜在層へのアピールになるので、適した広告の種類も同じです。
8-2.広告を出稿する商品・サービス
次に、広告を出稿する商品やサービスで選びましょう。
判断する材料は以下の通りです。
- 価格
- 緊急性
- ジャンル
例えば、水トラブルやロードサービスのような緊急性が高いサービスに当てはまるのはリスティング広告です。
反対に緊急性は低く検討期間が長くなりやすい商品は、リターゲティング広告が適しています。
SNS広告を活用する場合は、商品やサービスのジャンルで媒体を選びましょう。女性向けの商品ならInstagramやTikTok、BtoB商品であればFacebookを選ぶなどです。
8-3.ターゲットの年齢層
SNS広告を活用する場合は、ターゲットの年齢層で媒体をさらに絞り込みましょう。
同じジャンルの商品でも、10~20代向けなのか、30~40代向けなのかでは掲載すべき媒体は異なるからです。
例えば、化粧品の広告を掲載する場合は、10~20代向けのプチプラコスメならTikTok、30代以上向けの高級路線ならInstagramが当てはまります。
9.まとめ
Web広告は以下の8種類に分類できます。
広告の種類 | 特徴 |
---|---|
リスティング広告 | ユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果に表示されるテキストのみの広告 |
ディスプレイ広告 | Webサイト・アプリの広告枠に主に「画像+テキスト」または「動画+テキスト」で配信される広告 |
SNS広告 | FacebookやTwitterなどのSNSプラットフォームに配信する広告 |
動画広告 | 動画で自社商品やサービスを宣伝する広告 |
アフィリエイト広告 | 媒体主にブログやSNSで掲載してもらう広告 |
ショッピング広告 | 検索結果に画像付きで表示される、物販に特化した広告 |
記事広告 | 第三者が商品やサービスの魅力を記事にまとめ、Webサイトにアップする広告 |
リターゲティング広告 | 自社のWebサイトを訪れたユーザーを追跡して配信する広告 |
それぞれのWeb広告ごとに、適した商品やサービスが異なるので、特徴を理解してから自社で配信する広告を選びましょう。
また、広告を選ぶ際には以下を判断基準にしてください。
- 広告の出稿目的
- 広告を出稿する商品・サービス
- ターゲットの年齢層
これらを基準にすることで、適切にWeb広告を選べます。
WordPressでECサイトを運用している場合は、プラグインで広告出稿を効率化できるので、ぜひ活用してください。