「初心者がネットショップを開業するにはどうすれば良いのだろう?」
ネットショップ(ECサイト)をオープンしたくても、初心者の方ならそのように悩まれますよね。
もちろん業者に委託すれば立派なネットショップを開設できるでしょうが、個人や小規模な法人で運営していくのであれば、最初から大きなコストをかけるやり方はリスクが大きすぎます。
とはいえ、小規模ではあってもビジネスとしてネットショップを運営する以上、スムーズに開業し、着実に売り上げを出していきたいところです。
そこでこの記事では、初心者の方がネットショップを開業するための手順を7つのステップに分けて説明していきます。
【STEP①】 | ネットショップ初心者がやっておくべき開業前の準備 |
【STEP②】 | 初心者向けのネットショップ構築方法の中から採用するものを決める |
【STEP③】 | 初心者にもできるネットショップ構築のための手順 |
【STEP④】 | ネットショップで販売する商品を用意する |
【STEP⑤】 | ネットショップで販売する商品の配送方法を決める |
【STEP⑥】 | ネットショップでの販売価格を決める |
【STEP⑦】 | ネットショップでの決済方法を決める |
このような全体の流れに加えて、各ステップであなたが何をすべきなのかを分かりやすくお伝えします。
最後までお読みいただければ、初心者の方でもスムーズにネットショップを開業できるはずです。
早速始めていきましょう。
目次
- 1. 初心者がネットショップを開業するための全体の流れ
- 2. 【STEP①】ネットショップ初心者がやっておくべき開業前の準備
- 3. 【STEP②】初心者向けのネットショップ構築方法の中から採用するものを決める
- 4. 【STEP③】初心者にもできるネットショップ構築のための手順
- 5. 【STEP④】ネットショップの商品を用意する
- 6. 【STEP⑤】ネットショップで販売する商品の配送方法を決める
- 7. 【STEP⑥】ネットショップでの販売価格を決める
- 8. 【STEP⑦】ネットショップでの決済方法を決める
- 9. 初心者でもネットショップで売り上げを立てるための秘訣
- 10. まとめ
1. 初心者がネットショップを開業するための全体の流れ
これまでにご自身のネットショップを開設したり、運用した経験が無かったりすると、開業するために何をどうすれば良いかイメージしづらいのではないでしょうか?
ゴールがずっと先のことのように思えて、「本当に自分にできるだろうか?」と不安に感じられているかもしれませんね。
ご安心ください。冒頭でご覧いただいた通り、初心者の方は以下の7つのステップをクリアすればネットショップを開業できます。
この7ステップについて、詳しく全体の流れを見ておきましょう。
まず1つ目のステップでは、以下のことを行います。
【STEP①】 | ネットショップ初心者がやっておくべき開業前の準備 ・ネットショップのコンセプトを決める ・ネットショップ名(ブランド名)を決める | >>詳細 |
ネットショップのコンセプトやネットショップ名がまだ決められていないという場合は、まずはこのSTEP①から一つずつ取り組んでいきましょう。
続いて2つ目のステップでは以下のことを行います。
【STEP②】 | 初心者向けのネットショップ構築方法(以下3つ)の中から採用するものを決める・ECモールへの出店・ASPカートの利用・ECオープンソースの利用 | >>詳細 |
STEP②でネットショップの構築方法を選んだら、3つ目のステップで実際に構築を行います。
この記事では、初心者の方に特におすすめなサービスを例に手順を説明しているのでぜひ参考にしてくださいね。
【STEP③】 | 初心者にもできるネットショップ構築のための手順・Yahoo!ショッピングへ出店する際の手順・STORESでネットショップを構築する際の手順・WooCommerceでネットショップを構築する際の手順 | >>詳細 |
ネットショップの構築作業に目処がついたら、販売する商品を用意していきます。
今回は、初心者の方でも商品をスムーズに用意できる方法を3つご紹介します。
【STEP④】 | ネットショップで販売する商品を以下の方法で用意する・制作する・仕入れサイトから購入する・問屋街で購入する | >>詳細 |
ここまできたら、もう一息です。
ここからは、ネットショップを運営する上で決めておかなければならない細々としたことを検討していきます。
まずは、配送方法についてです。
【STEP⑤】 | ネットショップで販売する商品の配送方法を決める・配送会社を決める・送料設定を決める | >>詳細 |
次に商品の販売価格を決めます。
以下のように2つの手順を踏むことで、適切な価格を決めやすくなります。
【STEP⑥】 | ネットショップでの販売価格を決める・原価から販売価格の目安を計算・類似ネットショップの販売価格を参考に調整 | >>詳細 |
いよいよ最後のステップです。
最後は決済方法を決めます。ネットショップでの決済方法には色々なものがありますが、まず選択されることが最も多いクレジットカード決済はマストで採用し、その他の決済方法についてはお客様の年齢層によって絞っていくと良いですよ。
【STEP⑦】 | ネットショップでの決済方法を決める | >>詳細 |
このようにやるべきことの全体像を見てみると、想像していたよりスムーズに開業できそうに思えるのではありませんか?
もちろん新たなビジネスを始める準備となりますので、決して「とっても簡単でお手軽!」というわけではありませんが、あなたにも必ずできます。
次からは各ステップごとでやるべきことを詳しくお伝えするので、ぜひ順番に実践してみてくださいね。
2. 【STEP①】ネットショップ初心者がやっておくべき開業前の準備
まずあなたが最初にやらなければならないのが、ネットショップを実際に開業する前の準備です。
具体的には以下のことを行っていきます。
ネットショップのコンセプトを決めるネットショップ名(ブランド名)を決める |
準備段階とはいえ、どちらも非常に重要なことです。
コンセプトやネットショップ名は、商品の選定やサイトデザインなど、今後行うべきことの判断軸にもなってくるからです。
ここがしっかりと決められれば、お客様像が明確にイメージできるようになり、今後ネットショップに関する様々な判断を行いやすくなります。
気を引き締めて取り組んでいきましょう。
では一つずつ詳しく説明します。
2-1. ネットショップのコンセプトを決める
まずは、あなたのネットショップのコンセプトを決めておきましょう。
コンセプトと聞いてもピンと来ない場合は、「あなたのネットショップがどのようなお店かを表現する言葉や説明」と考えてください。
このコンセプトを決めておくことは、ネットショップを開業・運営していく上で非常に重要なことです。
そのことを理解した上で適切にコンセプトを決められるように、
◆ネットショップにおけるコンセプトの重要性
◆ネットショップのコンセプトを決める際のポイント
について順番にお話ししておきます。
2-1-1. ネットショップにおけるコンセプトの重要性
ネットショップを開業する際にコンセプトを決めておくことは、お客様とネットショップを運営するあなた自身にとって、とても大切なことです。
具体的な例を使って、この重要性について考えてみましょう。
例えば、「A」というインテリア雑貨店(ネットショップ)をコンセプトを決めることなく開業したとします。すると、この「A」では次のような問題に直面することになるはずです。
コンセプトが決まっていないインテリア雑貨店「A」では… |
◆商品に明確なこだわりが無いため、安く仕入れられるインテリア雑貨を雑多に販売するお店になる ◆販売商品に統一性が無いため、お客様は数あるインテリア雑貨店から「A」でわざわざ購入する必要性を感じられない ◆集客のために広告を出そうとしても、誰に向けて何を宣伝すれば良いか分からない |
一方で、
『一人暮らしの女性に向けた、韓国カフェ風のポップでかわいいインテリア雑貨店』
というコンセプトを掲げたネットショップ「B」では、「A」が抱えていた問題をプラスの要素に変えることができるのです。
コンセプトが明確なインテリア雑貨店Bでは… |
◆若い女性が好みそうな韓国カフェ風のポップでかわいいインテリア雑貨を扱うお店になる ◆販売商品は「韓国カフェ風のポップでかわいいインテリア雑貨」に統一されるので、韓国カフェ風の部屋を作りたいお客様には「B」を選ぶ理由ができる ◆集客のために広告を出す際、 ・<一人暮らしで韓国風なものを好む傾向にある若年層の女性>に向けて ・<韓国カフェ風のポップでかわいいインテリア雑貨>をプッシュする という指針がすぐに定まる |
いかがですか?
明確なコンセプトを決め、それに基づいたネットショップにすることで、お客様に「あなたのお店でショッピングをする理由」ができることがお分かりになったのではないでしょうか。
またネットショップを運営するあなたにとっても、コンセプトがあった方が「どのような商品を誰のために販売するか」がイメージしやすくなりますよね。
このことで、仕入れる(製造する)商品選びやサイトのデザイン、宣伝方法を判断しやすくなるはずです。
このように、お客様とネットショップを運営するあなたの双方にとって、明確なコンセプトがあることはとても重要なのです。
2-1-2. ネットショップのコンセプトを決める際のポイント
ネットショップにコンセプトが重要なことはお分かりいただけたかと思いますが、次に気になるのが「どのようにコンセプトを決めるか?」という点ですよね。
コンセプトは、追求すればどこまでも深く検討することもできますが、最低限以下の3つのポイントをしっかりと押さえておけば自然と鮮明になってくるはずです。
誰に向けたネットショップか(Who)を明確にする |
できるだけ具体的にお客様像をイメージし、誰に向けたネットショップか明確にします。 ◎良い例:Instagramでよく見かける韓国のカフェに憧れる一人暮らしの10代〜20代女性△悪い例:10代〜20代の女性 |
何を提供するのか(What)を決める |
お客様にどんな物や価値を提供するのか決めます。 例:・お気に入りのインテリアに囲まれて過ごす、気持ちが高まる毎日(価値)・韓国カフェ風のインテリア(物) |
どのように提供するのか(How)を決める |
提供する価値や物をお客様に対してどんな風に提供するのかを決めます。 例:・お手頃価格で提供・洗練されたデザインの包装でお届け |
この3つのポイントを守れば、はっきりとしたコンセプトが決められるはずです。
まずは、これらを考えるところからコンセプト決めに取り組んでいきましょう。
2-2. ネットショップ名を決める
コンセプトが決まったら、次はネットショップのネーミングを決めていきましょう。
ネットショップ名は、お客様にとって分かりやすく覚えやすいものにするようにしてください。
オシャレな響きや語感のネーミングにしたい気持ちも分かりますが、まずはお客様に覚えてもらうこと、見つけてもらえることが最重要事項と心得ておきましょう。
そのためには以下の4つをクリアできるネーミングをしっかりと考えていくと良いですよ。
①コンセプトに沿っている、コンセプトを端的に表している②お客様が覚えやすい③ネットで検索した際に、同じネーミングのショップやサイトが見当たらない(ネットショップ名で検索された時にお客様に見つけてもらいやすくなるため)④正式名称にお客様が検索しそうなワードを盛り込む・例:「韓国カフェ風インテリア雑貨 オルチャンRoom」 |
①や②に関しては、一生懸命考えれば考えるほど主観が入ってしまい、あなた自身では判断しづらくなってしまいます。
そのため、周りの人(できるだけネットショップのユーザー像に近しい人)に意見を聞いて客観的に判断するようにしてくださいね。
ネットショップ名は運用し続ける限りずっと付き合っていくことになる大切な存在です。
お客様の分かりやすさや覚えやすさに加えて、あなたが「これだ!」と思えるネーミングを思い付くまで粘り強く考えましょう。
また、コンセプトやネットショップ名を決めるだけではなく、開業前に勉強すべきことやその効果的な勉強方法についても詳しく紹介していますので、あわせて読んでみてください。
3. 【STEP②】初心者向けのネットショップ構築方法の中から採用するものを決める
コンセプトとネットショップ名が決まり、開業前の基本的な準備は完了しました。
準備が終わったので早速ネットショップの構築をスタート…といきたいところですが、その前に数あるネットショップ構築方法の中から、どの方法を採用するか選ぶ必要があります。
そのようなネットショップの構築方法の中でも、初心者の方向けのものが以下の3つです。
- ECモールへの出店
- ASPカートの利用
- ECオープンソースの利用
ここでは、こうした各ネットショップ構築方法がどのようなものかをお伝えしますので、どれを採用するかの判断に役立ててくださいね。
3-1. ECモールへの出店
まずご紹介するのがECモールへ出店する方法です。
ECモールへの出店とはつまり、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングといったモール内にテナントとしてあなたのネットショップを登録するということです。
あくまでモール内の1ストアという枠組みであるため、「自分のネットショップを開業したい」という方には不向きです。
ただ、モールならではの集客力やWebサイト構築の知識が無くても開業可能なことから、初心者の方でも比較的スムーズにネットショップを構築できる方法の一つと言えます。
※ただし、出店先のモールは慎重に選ぶ必要があります。初心者の方におすすめな出店先は、Yahoo!ショッピングです。
3-1-1. ECモール出店のメリット・デメリット
ECモール出店のメリットとデメリットはそれぞれ以下の通りです。
メリット | ・Webサイト構築の知識や技術が無くてもネットショップを構築できる・モール自体の集客力が高く、必ずしも自身で集客する必要がない |
デメリット | ・決済手数料の他にもモール側へ支払う料金が発生する・デザインや機能のカスタマイズ性が低い(他店との差別化が困難)・出店可否の審査がある |
先ほどもお伝えしましたが、このようなメリットがあるためECモールへの出店は初心者の方でも比較的取り組みやすいのです。
一方で、ビジネス上の大きなデメリットとなるのがモール側へ支払う料金が必要となる点です。
特に、Amazonや楽天では月額出店料や販売手数料が高い水準で設定されているため、これから初めてのネットショップを開業する方にはハイリスクと言わざるを得ません。
ECモールへ出店するにしても、この2つは一旦避けておいた方が無難です。
また、出店可否の審査があるという点も気をつけておきたいデメリットです。審査があるということは、100%出店できるとは限らないのです。
そのため、「ECモールへの出店」という方法だけに頼るのではなく、これからご紹介する他のネットショップ構築方法と併用するのが安全で確実です。
3-1-2. ECモールへ出店するならYahoo!ショッピングがおすすめ
もしECモールへの出店を採用するなら、ひとまずYahoo!ショッピングを利用するのがおすすめです。
初心者の方がネットショップを開業する場合、大きなコスト負担を抱えるのはリスクが高いため、できる限りコストを抑えられる構築方法を選択すべきなのですが、その点Yahoo!ショッピングならモール側へ支払う料金が比較的少なくて済み、初心者の方にも安心して利用していただけます。
次の表に、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングを利用する際に必要となる料金や手数料をまとめたのでご覧ください。
大手ECモールで必要となる運用費
楽天市場(がんばれ!プランの場合) | ・月額出店料:19,500円・システム利用料:3.5〜7%・システムサービス利用料:1.1%〜・R-Messe(お客様からとのコミュニケーション機能):3,000円・楽天市場決済利用料:〜3.5% |
Amazon(小口出品の場合) | ・成約料:100円/1件・販売手数料:8〜15%・カテゴリー成約料(本・CD・DVDの場合):80〜140円 |
Yahoo!ショッピング | ・ストアポイント原資負担:1%〜・キャンペーン原資負担:1.5%〜・決済手数料:3%〜※アフィリエイト経由の購入があった場合はさらに1%〜の原資負担等あり |
こちらの表の通り、まず楽天市場では売り上げの多寡に関わらず月額料金が必要となります。
また、Amazonでは高額な月額料金は設定されていないものの、販売手数料のレートの高さが気になるところですよね。
対してYahoo!ショッピングでは商品が売れて初めてコストが発生し、そのレートも販売額の5.5%〜(ポイント・キャンペーン原資負担+決済手数料)と良心的な設定となっています。
このように各モールに必要な料金や手数料を比較すると、Yahoo!ショッピングが最もコスト負担が小さくて済むことがお分かりいただけるはずです。
こういったことから、コスト負担の小さいYahoo!ショッピングを初心者の方にはおすすめしています。
※売り上げ額に対してどれくらいの支払額が発生するのか具体的に知りたい場合は、Yahoo!ショッピングの「月額費用シミュレーション」を使って目安を試算することもできますので試してみてくださいね。
3-1-3. ECモールへの出店がおすすめな人
これまでの説明を踏まえると、ECモール(Yahoo!ショッピング)への出店は以下のような場合におすすめと言えます。
- サイト構築の知識や技術が全くない(Web技術の分野に苦手意識があり、これから身に付ける自信も無い)
- 自力で集客をするなら運用するべきSNSを、日常的に使用していない
- ネットショップのコンセプトを実現するために高度なデザイン性が必要ではない
ただし、先ほどお伝えした通り、ECモールには審査に通過しなければ出店することができません。もちろんYahoo!ショッピングも例外ではありません。
そのため、これから紹介する「ASP型ショッピングカートの利用」や「ECオープンソースの利用」についてもお読みいただき、万が一審査に通らなかった場合にいずれかの方法を実践できるようにしておいてくださいね。
または最初から「ASP型ショッピングカートの利用」・「ECオープンソースの利用」と併用する方向で進めるのも一つの手です。
3-2. ASPカートの利用
ASPカートを利用してネットショップを構築する方法も、初心者の方にはおすすめです。
ASPカートという言葉だけ聞くと、なんだか難しそうに感じられるかもしれませんが、要はBASEやSTORESといったサービスを利用してショップを構築するという方法です。
ASPカートを利用したネットショップ構築の最大の特徴は、「自分自身のネットショップを手軽に開業できる」という点です。
そのため、ネットショップ初心者の方でもスムーズに開業にこぎつけることができます。
3-2-1. ASPカートを利用するメリット・デメリット
ASPカートのメリットとデメリットは次の表の通りです。
メリット | ・Webサイト構築の知識や技術が無くてもネットショップを構築できる ・サービスによっては無料で構築できる ・シンプルな操作でスムーズに構築できる(早ければ即日〜) |
デメリット | ・売り上げが拡大するほど支払う手数料も高くなりがち ・自分で集客を行う必要がある ・デザインや機能のカスタマイズ性は高くない(ECモールよりは高く、ECオープンソースよりは低い) |
ASPカートのメリットを見ていただければ、手軽かつスムーズにネットショップを構築できることがお分かりいただけるかと思います。
このため、ASPカートの利用は、初心者の方向けの方法の中でも最も簡単にネットショップを構築する方法と言えます。
ただやはり構築や運用がシンプルにできる分、支払う手数料は比較的高くなりやすく、利用するサービスは慎重に選ばなければなりません。
また、ASPカートを利用する方法では、ECモールへの出店と違って「あなた自身のネットショップ」を構築することになります。
そのため、集客には力を入れる必要があることを覚えておいてください。
3-2-2. ASPカートを利用するならSTORESがおすすめ
初心者の方がASPカートを利用するなら、STORESが断然おすすめです。
先ほどもお伝えした通り、初心者の方はコスト面のリスクを避けて費用を抑えられる構築方法を選ぶべきですが、STORESならそれが可能なのです。
以下の表に、代表的なASPカートの利用に必要な費用をまとめたので、見てみましょう。
代表的なASPカートで必要となる費用
MakeShop(プレミアムプランの場合) | ・初期費用:11,000円・月額プラン料金:11,000円・決済サービス利用料:1,100円・決済手数料:3.19%〜 |
BASE(スタンダードプランの場合) | ・サービス利用料:3%・決済手数料:3.6%+40円 |
STORES(フリープランの場合) | ・決済手数料:5% |
まずMakeShopでは初期費用に加えて、月々12,100円の固定費も必要です。ネットショップが軌道に乗るまでは、これはかなり痛い出費になってしまいます。赤字になるリスクもあるでしょう。
またBASEでは毎月の固定費はかかりませんが、サービス手数料と決済手数料を合わせると、6.6%+40円となりますね。
対してSTORESで必要なのは5%の決済手数料のみです。
BASEよりも負担が少ないのは確かですし、MakeShopと比べても毎月の売り上げがコンスタントに40万円を超えてくるまではSTORESの方が安く抑えられます。
このように、コストを抑えやすく料金体系もシンプルなSTORESは、初心者の方が安心して利用できるASPカートなのです。
3-2-3. ASPカートの利用がおすすめな人
これまでの内容から、ASPカート、とりわけSTORESの利用がおすすめできるのは以下のような場合と言えます。
- サイト構築の知識や技術が全くない(Web技術の分野に苦手意識があり、これから身に付ける自信も無い)
- とにかく手軽に早くネットショップを構築したい
- ネットショップの開業・運用を最低限のコストで試しにやってみたい
- 月の売り上げが20万円以内の規模で運営予定
このうち、「月の売り上げが20万円以内の規模で運営予定」の場合については分かりづらいかと思いますので説明しておきますね。
お伝えした通りSTORESのフリープランでは、初期費用や月額料金は無料ですが、実は月の売り上げが安定的に20万円を超えてくると有料プランの方がSTORES側への支払い金額が少なくて済むのです。
STORESの有料プラン(スタンダードプラン)では、2,178円の月額利用料が必要な代わりに決済手数料が3.6%に抑えられるためです。
しかし、有料であるスタンダードプランを利用し続けるのであれば、次に紹介するECオープンソースを利用した方がコストメリットが大きくなってきます。
そのため、将来的に20万円以上をコンスタントに売り上げていきたい場合はASPカート(STORES)はあまりおすすめしません。
逆に20万円以内の規模で小さくビジネスを続けていきたい場合は、コストの観点からSTORESを選択するのがベターなのです。
3-3. ECオープンソースの利用
最後にご紹介するのが、ECオープンソースを利用してネットショップを構築する方法です。
ECオープンソースとは、一般に公開されたネットショップを構築するためのプログラムのことです。基本的には無料で公開されているため、ECオープンソースを利用することで費用を抑えたネットショップの構築が可能となります。
実は、ビジネスとして本気度高くネットショップを運営していくのであれば、この構築方法が最もおすすめです。
後ほど詳しく説明しますが、ECオープンソースを利用することで、費用を抑えた運用が可能なだけでなく、ニーズに合わせてネットショップをより使いやすいものにカスタマイズできるからです。
しかし、もしかすると「プログラム」と聞いてハードルが高いと感じられているかもしれませんね。
確かにこれまでに紹介した方法に比べて、ネットショップ構築のためにあなたが行うべき作業量は増えますし、事前にある程度の知識を身に付ける必要がありますが、この後おすすめする「WooCommerce」であれば初心者の方でも十分実践していけるはずです。
あまり身構えずに読み進めてみてくださいね。
3-3-1. ECオープンソースのメリット・デメリット
まずはECオープンソースのメリットとデメリットを見ておきましょう。
メリット | ・デザインや機能のカスタマイズ性が高い ・支払うべき料金が少なくて済む |
デメリット | ・Webサイト構築の基礎知識を身に付ける必要がある ・自分で集客を行う必要がある |
ECオープンソースを利用してネットショップを構築する場合、他の構築方法よりもデザインや機能を自由度高く編集することができます。
デザインテンプレートや拡張機能が豊富に用意されている上、ネットショップの運営を続ける中でプログラミングの知識が身についてくればあなただけのデザインを実装することもできるためです。
これは独自性の高いネットショップにしていきたい場合には嬉しいメリットですよね。
また、ECオープンソース自体の利用料が発生せず、数ある方法の中で最もリーズナブルにネットショップの構築・運用ができるのも魅力です。
ただリーズナブルである分、あなた自身が手を動かしてネットショップを構築し、運用しなければなりません。
そのため、Webサイト構築に関する基礎知識を身に付け、あなた自身が集客を行う必要があるのです。
3-3-2. ECオープンソースを利用するならWooCommerceがおすすめ
ネットショップ初心者の方がECオープンソースを利用するなら、「WooCommerce(ウーコマース)」がベストな選択です。
WooCommerceとは、無料で利用できるWordPressのプラグインのことで、メジャーなECオープンソースの一つです。
▼補足 ・WordPressとは オープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)のことで、分かりやすく言えば「本格的なWebサイトを簡単に作成するための仕組み・ツール」です。イメージとしては、より多くのカスタマイズが可能なはてなブログを思い浮かべてみてください。 ・プラグインとは WordPressで作成したサイトに実装できる「機能」のことです。プラグインをWordPressにインストールすることで、その機能をサイトで使えるようになります。例えば、お問い合わせフォーム設置用のプラグインをインストールすれば、サイト内にお問い合わせフォームを実装できます。同様に、WooCommerceをインストールすればサイト内にネットショップの基本機能を実装できます。 |
実は通常の(WooCommerce以外の)ECオープンソースを利用する場合は、
Webサイト構築のためのプログラミング技術
=HTML・CSS・Java・PHPなどの言語を使ってWebサイトを構築する技術
が必要となるため、初心者の方にはおすすめできません。
しかし、WooCommerceの場合は、ECオープンソースでありながら、WordPressのプラグインでもあるため、プログラミングの知識が無くても十分にネットショップを構築することができるのです。
このため、初心者の方でもオリジナリティのあるネットショップを作ることが可能となります。
さらに、コストを抑えやすい点も初心者の方におすすめできるポイントです。
そもそもWooCommerceをはじめとするECオープンソースは無料で公開されているプログラムですから、WooCommerce側に支払う料金はありません。
以下のような費用は発生してきますが、決済手数料以外の負担額は1,000〜2,000円に抑えることができ、売り上げが伸びてきても小さな負担で運用していくことができます。
WooCommerceで必要となる費用 |
◆決済手数料…販売額の3.6%(クレジットカード決済時)※WooCommerceのデフォルトの決済機能を使用した場合 ◆サーバー費用…1,000円程度〜/月 ◆ドメイン費用…数百円程度〜/年 |
このように、コストを抑えつつ比較的簡単にオリジナリティのあるネットショップを構築・運用できるWooCommerceを、初心者の方が使わない手はありません。
3-3-3. ECオープンソースの利用がおすすめな人
ここまでの内容を踏まえると、以下のような場合はECオープンソース(WooCommerce)の利用がおすすめです。
◆サイト構築の知識や技術が多少はある/もしくは身に付けることに抵抗が無い ◆オリジナリティのあるネットショップにしたい ◆ビジネスとしてネットショップを開業し、利益を追求したい(売り上げを伸ばしつつ必要経費は抑えて運用をしたい) |
要するに、ビジネスとして本気度高くネットショップを運営していくのであれば、ECオープンソース、特にWooCommerseがおすすめということになります。
サイト構築の知識を身に付ける必要もありますし、構築には多少の手間もかかりますが、「ネットショップを成長させていきたい!」という強い思いがあるなら必ず乗り越えられるはずです。
ネットショップ構築のために必要な作業や身に付けるべき知識についても、「4-3. WooCommerceでネットショップを構築する際に必要な作業」で説明しますので、前向きに進めていきましょう。
また、ここまで読んだけどネットショップの構築方法を決めきれなかった、という場合は複数の方法を併用するというのも一つの手です。
「9-2. 場合によってはネットショップ構築方法を併用する」で詳しく説明しますが、ネットショップの構築方法は絶対に1つに絞り込まなければならないというわけではないので、どの方法を採用するかまだ迷われているなら複数の方法に取り組んでみることも視野に入れておきましょう。
関連記事
更にこちらの記事では、ネットショップを自作するメリット・デメリットや、ネットショップの自作方法についても詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
4. 【STEP③】初心者にもできるネットショップ構築のための手順
どの方法でネットショップを構築していくか決まったら、いよいよ実際の構築作業を行っていきます。
ここではSTEP②でおすすめした初心者の方向けのネットショップ構築方法別に、必要になってくる作業を説明します。
- Yahoo!ショッピングへ出店する際の手順
- STORESでネットショップを構築する際の手順
- WooCommerceでネットショップを構築する際の手順
一つずつ見ていきましょう。
4-1. Yahoo!ショッピングへ出店する際の手順
Yahoo!ショッピングへ出店する際には、主に以下の5つの手順を踏んでネットショップを構築していきます。
Yahoo!ショッピングへ出店する際の手順
手順①申し込み情報の入力 | 「お申し込み時に必要な情報」に記載された情報を、出店申し込みフォームに入力していきます。もしまだ取得できていない情報がある場合は、事前に準備しておきましょう。 申し込みフォームへはYahoo!ショッピング内に設置された「出店の申し込み」バナーからアクセスできますが、Yahoo!JAPAN IDでのログインが必要です。 |
手順②契約審査 | 申し込みフォームから情報を送信したら、Yahoo!ショッピング側で契約審査が行われます。(2〜10営業日かかります。)審査完了後メールで審査結果が通知され、無事通過していれば ・「Yahoo!JAPANビジネスID」の発行・「ストアクリエイターPro」(ネットショップの管理画面)への案内 が行われます。 |
手順③開店準備 | ストアクリエイターProへの案内が届いたら、Yahoo!JAPANビジネスIDを使ってアクセスし、ネットショップ開店準備を進めます。 ストアクリエイターProに掲載されているマニュアルに沿って、各種設定や商品登録などを一つずつ進めていきましょう。 ※変更可能な設定(送料や配送方法など)や商品登録などは、【STEP⑤】ネットショップで販売する商品の配送方法を決める/【STEP⑥】ネットショップでの販売価格を決めるの手順が完了してから本格的に進めてください。ここではひとまず、審査を受けられる状態を目指しましょう。 |
手順④開店審査 | マニュアルに記載された設定などを全て済ませたら、「開店申請」が行えるようになります。申請し、開店可否の審査を受けましょう。(2〜5営業日かかります。) |
手順⑤ネットショップ開店 | 審査に通過したら、ついにYahoo!ショッピング上であなたのネットショップが開店可能な状態となります。ネットショップの本格的な作り込みや設定は、この段階で行いましょう。 |
このように2回の審査が必要となりますが、手順自体はさほど煩雑ではありません。
管理画面には詳しいマニュアルも掲載されていますので、初心者の方でもスムーズに作業を進められるはずです。早速実践してみてくださいね。
4-2. STORESでネットショップを構築する際の手順
STORESでネットショップを構築する際の手順は、主に以下の3つです。
STORESでネットショップを構築する際の手順
手順①STORESへの登録 | STORESのアカウント作成を行います。続けてSTORESへの情報登録フォームも表示されるので、必要な項目を入力し、登録を完了します。 |
手順②各種設定 | 登録が完了すると、ネットショップの管理画面へ遷移します。管理画面でネットショップのデザインや商品登録、決済方法などの登録を進めます。 管理画面に「スタートガイド」が掲載されているので、ガイドに従って一つずつ行っていきましょう。ガイドの他にサポート資料も用意されていますので、そちらにも目を通しておいてください。 ※本格的な商品登録は【STEP⑥】ネットショップでの販売価格を決める が完了してから行うようにしましょう。 |
手順③公開 | スタートガイドに記載された手順を全て終えたら、管理画面の「ストア設定」からネットショップを公開します。 |
STORESの管理画面は直感的に操作を行えるようになっていますし、各種設定方法は「スタートガイド」で詳しく案内されているため、初心者の方でも非常にスムーズにネットショップを構築することができます。
また、開店のための審査なども無いため、最短で即日のオープンも可能です。
※ただし、クレジットカード決済の利用には審査(最短4営業日)があります。
4-3. WooCommerceでネットショップを構築する際の手順
WooCommerceでネットショップを構築するには、他の方法と比べて手間と時間がかかりますが、ここを乗り越えることでコスト負担の少ないネットショップ運用が実現します。頑張りましょう。
POINT:作業を進める前に身に付けておきたい知識 スムーズに一つ一つの手順をクリアしていくために、まずはWooCommerceの動作環境であるWordPressによるサイト構築の基礎知識を身に付けておきましょう。 Web上にも役立つサイトやページがたくさんありますので、まずは「WordPress 使い方」・「WordPress 初心者」といったワードで検索をかけてサクッと知識を習得していきましょう。 その他、以下のような初心者向けの書籍に目を通しておくのもおすすめです。 ◆『いちばんやさしい WordPress 入門教室』(佐々木 恵 著、ソーテック、2020年10月)こちらの本では、WordPressでサイトを構築する手順をゼロから説明してくれます。WordPressがどのようなものか、どのようにしてサイト構築をしていくのかを理解するためにぜひご一読くださいね。 |
WordPressについて基本理解ができたら、実際にネットショップを構築してみましょう。
また、WordPressによるネットショップ構築のメリット、デメリットを比較する記事も掲載していますので、あわせて参考にしていただくといいかもしれません。
それでは説明に入ります。
必要な手順は大まかに以下の5つです。
WooCommerceでネットショップを構築する際の手順
手順①レンタルサーバーの契約とドメインの取得 | WooCommerceでネットショップを構築するためには、まずレンタルサーバーとドメインが必要になります。レンタルサーバーは、WordPressと相性が良くユーザー数も多い「Xserver」を選びましょう。Xserverなら、サーバー契約と同時にドメインも取得することができます。 ★【エックスサーバー】WordPressブログの始め方ガイド【お申し込みからWordPressの初期設定までを解説!で、次の手順②までの進め方を動画で説明してあるので必ずチェックしておいてください。 |
手順②WordPressのインストール | サーバーの管理画面からWordPressをインストールします。 |
手順③WordPressにWooCommerceのプラグインを追加 | WordPressの管理画面から「WooCommerce」のプラグインを追加し、「有効」にします。 |
手順④WooCommerceの初期設定 | WooCommerceを有効化すると、セットアップ(初期設定)画面が立ち上がるので、フォームにあなたのネットショップに関する情報を入力します。 初期設定の詳しいやり方を『WooCommerceで新規ストアを設定する方法』で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 |
手順⑤ストア設定 | 初期設定完了後、さらにストアの基本設定を行います。ここでは決済方法や配送方法、使用通貨や税率といった、あなたのネットショップ全般に関わる項目について設定していきます。 詳しいやり方は『woocommerce 使い方』でチェックしておきましょう。 ※本格的な商品登録は【STEP⑥】ネットショップでの販売価格を決める が完了してから行うようにしましょう。 |
ひとまず最低限のネットショップ構築作業がここまでの手順で完了します。
ただWooCommerceでは、拡張機能を追加することでネットショップに様々な機能を加えることができ、より使いやすいネットショップを作り上げていくことができます。
それがWooCommerceでネットショップを構築する醍醐味でもあります。
この後、ネットショップを運用していく上で必要だと感じる機能があれば、拡張機能によってどんどんカスタマイズしてみてくださいね。
更に詳しく知りたい方は、WooCommerceの使い方について順を追って図解入りで詳しく解説した記事も読んでみてください。
5. 【STEP④】ネットショップの商品を用意する
ここまでで、商品を販売する場所であるネットショップの形ができ、開業にかなり近いところまで来ました。
開業というゴールまではあと一息というところです。
この段階であなたが行うべきことは、ネットショップ上で販売する商品の用意です。
※ここまでお読みいただいていればお分かりかと思いますが、実はネットショップの構築作業手順で商品登録が必要となってきます。そのため、小ロットで用意できそうな一部商品(1種類のみでも構いません)についてはネットショップ構築と並行して進めるようにしましょう。 |
ここでは初心者の方でも容易にできる、商品を用意する方法として以下の3つをご紹介します。
制作する仕入れサイトから購入する問屋街で購入する |
一つずつ説明しますね。
5-1. 【ネットショップ初心者向け商品の用意方法①】制作する
ネットショップで販売する商品は、自分で制作することで用意することができます。
この方法は、主にハンドメイド用品を販売したいと考えている方向けです。
ハンドメイド用品をネットショップで販売される方は元々制作経験のある場合がほとんどでしょうから、商品の作り方については深く言及しませんが、ネットショップ用に制作するに当たって以下のことに気をつけるようにしましょう。
◆材料費を抑えるより安く材料を購入できるお店に変える・大量購入でボリュームディスカウントをしてもらうなどの方法で材料費を抑え、原価率が小さくなるように心がけましょう。 ◆作業効率を意識する作業効率を上げることで、より多くの商品を制作することができます。あなたのネットショップの人気が出てくれば、よりたくさんの商品を制作しなければ間に合わなくなるので、短時間で少しでも多くの商品を制作できるよう作業工程を見直すなどしてみましょう。 ◆デザインの盗用が疑われないよう注意するネットショップで販売することであなたの作品が目につきやすくなるため、デザインの盗用が疑われないように注意を払いましょう。構想しているデザインが他の作家さんの作品と似ていると感じたら変更を加える・他の作家さんの作品からインスピレーションを受けすぎないようにする等、ちょっとしたことで構わないので意識してみてください。 |
ネットショップの商品をご自身で制作される場合は、こういったことに少しシビアになるようにしてくださいね。
5-2. 【ネットショップ初心者向け商品の用意方法②】仕入れサイトから購入する
仕入れた商品を販売する場合に最も手軽な方法が、仕入れサイトからの購入です。
仕入れサイトとは、その名の通り販売するための商品を安く購入できるサイトのことで、例えば以下のようなサイトがあります。
◆NETSEA(ネッシー)アパレル、日用雑貨、食品など幅広い商品を扱っています。毎日数千点の新着商品があり、規模もかなり大きいので一見の価値ありです。バイヤーとしての登録料や月額利用料もかからないので、ひとまず登録しておくことをおすすめします。 ◆SHOZAIOH(商材王)インテリアや家具を中心に扱う仕入れサイトです。仕入れとは言っても、事前に商品を購入する必要はなく、あなたのネットショップに注文があった時点で発注をかけることができます。つまり、あなたは在庫を抱えずに済むのです。さらに発送も代行してもらえます。登録料や月額利用料もかからないので、インテリアや家具の販売をお考えならぜひ登録してみましょう。 |
この他、「仕入れサイト インテリア(販売したいもの)」などのように検索してみると多様な仕入れサイトが見つかるはずです。
あなたのネットショップにマッチした商品を仕入れられそうなサイトが見つかったら早速会員登録を行っておきましょう。
5-3. 【ネットショップ初心者向け商品の用意方法③】問屋街で購入する
お住まいや事務所の近くに問屋街があるなら、問屋街からの仕入れも検討してみてください。
卸売り問屋が集まった問屋街には、一般の方に向けた販売を行っているお店もあります。そのようなお店であれば、初心者の方でも気軽に商品を仕入れることができるのです。
以下は問屋街の一例です。
◆かっぱ橋道具街(東京)食器類や調理用品を扱う問屋が集まっています ◆船場センタービル(大阪)繊維製品や輸入雑貨、日用品などを扱う問屋が集まっています ◆長者町繊維街(名古屋)繊維用品を扱う問屋が集まっています |
仕入れサイトとは違って、問屋街で購入できる商品はある程度ジャンルが絞られますが、ネットショップで販売したい商品を扱う問屋街がお近くにあるなら一度足を運んでおきましょう。
送料が発生しない分、安価な仕入れが実現する可能性もありますよ。
6. 【STEP⑤】ネットショップで販売する商品の配送方法を決める
ここからは、ネットショップを開業する前に決めておくべきことについてのお話になります。
まずは商品の配送方法について決めていきましょう。
具体的には配送会社と送料設定を決める必要があります。
それぞれどのように決めていけば良いかをお伝えしますね。
※配送代行対応をしている仕入れサイトを利用する場合は、基本的にあなたが配送会社を選ぶ必要はありません。
6-1. 配送会社を決める
配送会社については、ひとまず誰でも知っている大手配送会社を選択するようにしてください。
大手の配送会社ほどトラブルが発生した際の問い合わせ先であるカスタマーセンターへの連絡先がすぐに見つかるからです。
また、馴染みのある配送会社を使うことがお客様の安心感にも繋がります。
少なくとも開業して間もない内は、あなた自身もお客様も安心して利用できる大手配送会社を使っておきましょう。
以下の表に、代表的な配送会社のサービスと適している商品をまとめました。こちらの内容や各社のWebサイトを見ながら配送会社(サービス)を決めてみてください。
クリックポスト(日本郵便のメール便) | ◆条件・厚さ3cm(長さ:〜34cm/幅:〜25cm)・1kg以内・送料全国一律185円※ただし補償無し ◆適している商品・小物やアクセサリー類、衣類など小さく軽いもの・壊れにくい/梱包によって壊れにくくできるもの |
宅急便コンパクト(専用ボックスによる宅配便) | ◆条件・専用ボックスに入る(縦:24.8×横:34cm もしくは 縦:20cm×横:25cm×高さ:5cm)・2kg以内 ◆適している商品・小物やアクセサリー類、雑貨など小さいもの・配送中に壊れた際の補償が必要なもの |
飛脚宅配便(佐川急便の宅配便) | ◆他社より配送料が安く済むサイズ・60サイズ(2kg以下)・80サイズ(5kg以下) ◆適している商品・中型の雑貨や複数商品・5cm以上の高さや厚みがある商品 |
ゆうパック(日本郵便の宅配便) | ◆他社より配送料が安く済むサイズ・100サイズ(25kg以下) ◆適している商品・比較的サイズが大きく、重量感のある商品 |
商品のサイズや重さに差がある場合は、これらの方法をうまく併用して安全かつリーズナブルな配送を目指しましょう。
6-2. 送料設定を決める
配送会社やサービスが決まったら、送料の設定についても決めていきましょう。
よくある送料設定のパターンとしては以下の4つがあります。
全国一律 | クリックポストのように実際の送料も一律になる場合におすすめです。実際の送料が一律では無い場合、送料の平均額を算出し、損をしない価格設定にすることが重要になってきます。 |
配送地域別に設定 | 配送地域ごとに送料が変わる場合におすすめです。ただし、お客様によっては割高に感じる場合もあります。 |
送料無料 | 商品サイズが小さく、実際の送料を抑えられる場合におすすめです。ただし、送料を含んだ商品金額を設定するようにしましょう。 |
一定額以上の購入で無料 | まとめ買いが見込まれるネットショップには向いていますが、設定や計算の煩雑さを考えると初心者の方にはあまりおすすめできません。 |
実際の配送料金を考慮しながら、これらのうちどのパターンを採用するか判断しましょう。
それだけでは決めるのが難しい場合は、あなたのネットショップと似ている他店がどのように設定しているのかリサーチしてみると判断しやすくなりますよ。
7. 【STEP⑥】ネットショップでの販売価格を決める
配送方法が決まったら商品の販売価格を決めていきます。
送料を無料にする場合や全国一律にする場合は、販売価格に送料の全額あるいは一部を含める必要があるため、このステップは配送方法を決めた後に行うようにしてくださいね。
またSTEP④ではショップ構築作業の一環で商品登録を行うことになりますが、本格的に登録を進めるのはこのSTEP⑥が完了してからにすると二度手間にならなくて済みますよ。
それでは早速販売価格の決め方を見ていきましょう。
大まかには、
原価から販売価格の目安を計算▼類似ネットショップの販売価格を参考に調整 |
という順番で決めていくと、赤字になるような価格設定にはならず、スムーズに価格を決定できます。
それぞれ詳しく説明しますね。
7-1. 原価から販売価格の目安を計算
まずは販売する商品にかかる原価に基づいて販売価格の目安金額を計算します。
原価とは、簡単に言うと「商品を提供するためにかかる費用」のことです。大まかに以下のような費用だと考えておいてください。
◆商品を制作する場合材料費・工具費・制作にかかる(あなたの)人件費、材料の入手にかかった送料や交通費 ◆商品を仕入れる場合仕入れ額・仕入れにかかった送料や交通費 |
こうした原価+あなたの手元に残る利益が販売価格となります。(送料を販売価格に含める場合はさらに送料もプラスします。)
販売価格に占める原価の割合を原価率と言いますが、小売業の場合は50%〜75%の原価率となるのが一般的です。あなたのネットショップでも原価率が50%程度になるように販売価格の目安を計算してみましょう。
計算式は以下の通りです。
原価÷原価率=販売価格
例えば、原価が1,000円の商品を50%の原価率で販売するなら、
1,000円÷0.5=2,000円
となり、販売価格の目安は2,000円となります。
さらに送料を販売価格に含める場合は、ここに送料分の金額を加算します。
このような計算で、まずは販売価格の目安となる金額を割り出していきましょう。
7-2. 類似ネットショップの販売価格を参考に調整
販売価格の目安金額は、類似ネットショップの販売価格を参考にして調整するようにしましょう。
もし一般的な相場とあなたの商品の販売額が乖離していると、高すぎてお客様に購入してもらえなかったり、逆に安すぎてあなたが取るべき利益が少なくなってしまうためです。
そんなことにならないように、あなたのネットショップと似ている競合店の価格をリサーチし、できるだけ近しい金額になるよう価格を調整してください。
その上で、調整後の金額を販売価格として設定しましょう。
8. 【STEP⑦】ネットショップでの決済方法を決める
最後に、ネットショップでお客様が商品を購入する際の決済方法を決めていきましょう。
主だった決済方法としては、以下のようなものがあります。
◆クレジットカード決済◆オンライン決済(PayPayなど)◆代金引換◆コンビニ決済◆銀行振り込み |
このうち、最も利用される可能性の高い決済方法が「クレジットカード決済」です。
そのため、開業するのがどんなネットショップであってもクレジットカード決済はマストで対応するようにして下さい。
お客様にとっては選択肢が多い方が決済をしやすいので、その他の方法についてもできるだけ対応しておきたいところですが、特にWooCommerceでネットショップを構築した場合はその分設定のための労力が大きくなります。
このため、ネットショップのお客様の年齢層によって決済方法を絞るというのもありです。
例えば、最新のECサイトにおける決済手段の利用実態調査結果(SBペイメントサービス株式会社)を見ると、10代ではコンビニ決済の利用率が比較的高いことが分かります。
そのため、ネットショップのターゲットが10代である場合、クレジットカード決済とコンビニ決済に限定しても大きな機会損失には繋がりづらいと言えます。
9. 初心者でもネットショップで売り上げを立てるための秘訣
ここまで説明したステップをこなしていけば、ひとまずネットショップの開業にこぎつけることができます。
とはいえ、もちろん開業だけできれば良いというわけではありませんよね。
ネットショップを開業する以上、きちんと売り上げを立てていかなければなりません。
そこで最後に、初心者の方でもネットショップで売り上げを立てるための秘訣として以下の3点をご紹介しておきます。
長期にわたって利益を追求していくならECオープンソースを利用する場合によっては開業方法を併用する集客に力を入れる |
順番に解説しますね。
9-1. 長期にわたって利益を追求していくならECオープンソースを利用する
あなたが「ビジネスとして長期的に利益を出し続けたい、拡大させていきたい」とお考えならぜひECオープンソース、特に初心者におすすめなWooCommerceを利用してネットショップを構築することをおすすめします。
WooCommerceによるネットショップの構築は、Yahoo!ショッピング(ECモール出店)やSTORES(ASPカート)などを利用する場合に比べてハードルは高いです。
しかし、以下のような要素が利益や売り上げの拡大に大きく貢献してくれるのも事実です。
◆コスト負担小さく運用できる→他のネットショップ構築方法より、あなたが手にできる利益が大きくなる ◆多くの拡張機能が存在し、柔軟に機能を追加できる→よりお客様のニーズに応えられるようネットショップを最適化できる ◆デザインの自由度が高い(テンプレートが豊富でコードの知識を身に付ければさらにカスタマイズもできる)→お客様をファン化させやすく、リピート購入に繋がる ◆SEO対策を実施しやすい(検索結果に表示させやすくするための対策を実施しやすい)→商品ページの他、記事ページも作成できるため、検索結果に表示されやすい記事を公開する事でネットショップへのアクセス増加が期待できる |
このように、WooCommerceには利益・売り上げ拡大に役立つ要素が多いため、ネットショップを成長させるためにできることもたくさんあるのです。
つまり、それだけ成長の可能性を秘めている構築方法と言い換えることができます。
もちろん、開業後すぐにデザインを自分でカスタマイズしたり、SEO対策のための記事を作成する余裕は無いとは思いますが、長期的に運用を続ける中でそういったことにも取り組めるようになるはずです。
長い目で見て、ネットショップを大きくしていきたいと思われるなら、ぜひWooCommerceによるネットショップ構築に取り組んでみてくださいね。
9-2. 場合によってはネットショップ構築方法を併用する
着実に売り上げを出すために、場合によってはネットショップの構築方法を併用するようにしましょう。
例えば、Yahoo!ショッピングに出店する場合、お伝えした通り審査に通過する必要があります。
万が一審査に通らなかった場合、あなたのネットショップ開業はそこで頓挫しかねませんよね。もちろん売り上げも出ません。
しかし、並行してSTORESやWooCommerceでの構築も進めておけば、そちらで売り上げを立てることができ、リスクヘッジに繋がります。
また、WooCommerceでネットショップを構築する場合、基礎知識を身に付けたりWordPressの準備に時間がかかることが予想されます。
それでもできるだけ早い段階で売り上げを出したいなら、STORESでの構築・開業を先に進めておくと良いですよ。
このように、ネットショップの構築方法は一つのみに絞る必要は無く、むしろ併用した方がより着実に売り上げを出すことができるのです。
9-3. 集客に力を入れる
STORESやWooCommerceでネットショップを構築する場合は、集客に注力して売り上げを立てていく必要があります。
Yahoo!ショッピングのように、既にたくさんのお客様が居る場所へ出店するのとはわけが違うからです。
難しそうに感じられるかもしれませんが、以下のように段階を踏んで少しずつ取り組んでいきましょう。
①SNS(特にInstagram・Twitter)を運用 商品画像を掲載できるSNSで、商品の魅力が伝わる投稿を継続的に行いましょう。最も基本的な投稿のコツは、 ・魅力的な商品画像を掲載すること・フォロワーやユーザーに積極的にレスポンスすること です。その他「Instagram/Twitter 運用」や「Instagram/Twitter 集客」で検索してみて、できそうなことはどんどんトライしてみて下さい。 ②Web広告の出稿 Webサイト上や検索画面、SNSなどに表示されるWeb広告を出稿してみましょう。Web広告には様々なタイプがありますが、まずは「リスティング広告」から始めてみるのがおすすめ。 リスティング広告とは、Googleなどの検索結果画面に表示される広告のことです。例えばインテリアを扱うネットショップの場合、「カフェ風 インテリア」などのワードが検索された際に自分のネットショップが表示されるよう設定しておくことができます。 これにより、あなたのネットショップに比較的購入意欲の高いお客様を呼び込みやすくなるのです。 まずは「リスティング広告 初心者」で検索して出稿方法を学ぶところからスタートしましょう。 ③SEO対策 難易度は高くなりますが、SEO対策も集客方法として非常に有効です。SEO対策とは、Googleなどの検索結果画面にサイトを上位表示させて、アクセス数を増やすための施策のことです。 広告とは違い、出稿料金がかかりませんが、取り組むにはより専門的な知識が必要となります。 ①②を実践した上で、余裕が出てきたら挑戦してみましょう。 |
集客には、時間・お金・手間のいずれかが必要となります。
焦って一気に取り組む必要はありませんが、①から順番にコツコツと継続するようにはしてくださいね。
10. まとめ
初心者の方でもスムーズにネットショップを開業するための方法や手順をお伝えしましたが、いかがでしたか?
早速開業に向けて動き出していただければと思います。
最後に今回の内容を簡単に振り返っておきましょう。
以下の7つのステップを一つずつこなすことで、初心者の方でもスムーズにネットショップを開業することができます。
【STEP①】 | ネットショップ初心者がやっておくべき開業前の準備 |
【STEP②】 | 初心者向けのネットショップ構築方法の中から採用するものを決める |
【STEP③】 | 初心者にもできるネットショップ構築のための手順 |
【STEP④】 | ネットショップで販売する商品を用意する |
【STEP⑤】 | ネットショップで販売する商品の配送方法を決める |
【STEP⑥】 | ネットショップでの販売価格を決める |
【STEP⑦】 | ネットショップでの決済方法を決める |
また、ネットショップのオープン後、しっかりと売り上げを立てていくための秘訣として以下の3つをご紹介しました。
長期にわたって利益を追求していくならECオープンソースを利用する場合によっては開業方法を併用する集客に力を入れる |
ご紹介した7ステップを一つずつクリアし、このような秘訣にも取り組んでいただければ、初心者の方でも少しずつネットショップで利益を出していくことができるはずです。
早速今日からそのための第一歩を踏み出してみてくださいね。
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